第九話「ステータスプレート」
「結局魔石以外に目立ったものはありませんでしたねー。」
『そうだね。でもいっぱい珍しいものが見れて面白かったでしょ?』
「まぁ…確かに。」
「学べることも無くはなかったな。授業で習って想像してた以上に骨とか軽かったし。」
「確かになー。あのさぁ悠誠、俺実はさっきまで街を探し回っててな、
崖の上のとこから向こうの方に街があるのが見えてん。
俺は今からそこ行こうと思うんやけど、お前はどうする?」
「マジ?街あるんか。勿論俺もついていくぞ。」
「よし、じゃあ行こうぜ。多分こっちや。」
そうして二人は歩きだす。
時折現れる魔狼などを二人で倒しながら数十分程歩くと、ようやく森の終わりが見えてきた。
「ふーー、やっと街に辿り着けるんかぁ…。」
「まぁ、そんな言うほどは歩いてもないけどな。」
「今日のあまりに一日が濃すぎたわ。特に解剖。」
「あぁ…あれは。……確かに。」
「な?って、もしかして街ってあれじゃねー?」
「おぉマジやん。」
「なんか思ってたより賑わってんなぁ。なんかテンション上がってきたぁ!」
「単純な奴め。まぁ気持ちはわかるけどな。」
「よし、なんかそこに見張りみたいな人おるし話しかけてみようぜ。」
「せやな。」
「すみませーん、街入りたいんですけど、いいですか?」
祈光が話しかけると、優しそうな40代前後らしいおっちゃんが答えた。
「お、旅の人かい?」
「まぁ、そんな感じです。」
「ギルドカードとか、ステータスプレートとか、身分のわかるものは持っているか?」
「え、いや…ないですね。」
「そうか。ならそこでステータスプレートを作ってもらってくれ。
あまり時間はかからないし、基本どこでも身分証として通用する便利な代物だぜ。」
門番が指し示した方向を見ると、小さな建物があるのが見える。
お礼を告げて建物に入り、中にいた人と二言三言交わすと、
その人は奥から、水晶のようなものを取り出してきた。
「この水晶に手のひらをかざして、ステータス・オープンと唱えて下さい。」
とのことだ。
「じゃあ俺からいきます。ステータス・オープン!」
魔狼と初めて戦ったときに見たような青白い液晶のようなもの、
それが水晶から瞬時に展開される。
「問題なさそうですねー。では、こちらを金属板に写し取りますので、少々お待ちください。」
「あ、はい。」
思っている三倍は短い時間の後に、金属板を手渡される。
「これが…ステータスプレート…。」
「固有魔法、貴方の場合は…《生物学》になりますね、
こちらの説明なども、詳しく見ることができますので、
それも試してみてくださいね。では、次の方どうぞ~。」
祈光は一瞬、病院の受付かよと思ったが口には出さずに悠誠のステータスプレート完成を待つ。
同じようにして完成して、悠誠の能力名が《空震》と《片翼の者》であることも判明した。
空震が弦音波で、片翼の者がヘドバン飛行の方らしい。
なんか凄いかっけぇ…。