プロローグ
いいね、ブクマ等どうかよろしくお願いします!
「あの…先輩!好きです!俺と…付き合って下さい!」
人目も憚らないような声量で、一人の男子生徒がそんな告白をしたのは、軽音部が練習のスペースとして学校から与えられた廊下の途上だ。四階まである体育館の二階に位置するそこは、運動部の更衣室や準備室などとも隣接しており、当然周囲には沢山の人が居る。
そんな場所で告白なんてしようものなら、当たり前に注目を浴びる。
数多くの視線の中心で、告白を受けた女子生徒が出した答えは…
「ごめん、ちょっと恋愛対象としては興味ないかも!」
キッパリどころかスッキリとする程に綺麗な拒絶の言葉だった。
その返事を聞いて、男子生徒は膝を折って崩れ落ちた。
そんな男子生徒に駆け寄ったのは四人の軽音部員だ。
「え、何人目?これで高校入ってから振られたん何人目なんですか?」
一人は嬉々として祈光が振られた事を煽り、
「まぁ、想像ついてたよな。」
「そうよなぁー。」
二人がしみじみとそんな会話をし、
「まぁお前は、まだ彼女持ちには早かったって事だな!」
一人は自分に彼女が居ることをアピールしつつそんな事を言う。
それぞれの勝手な言葉を受けて、振られた張本人はどうなのかと言うと…白目を向いて泡を吹いていた。
「え?」
誰かがそう発したのを皮切りに、周囲の野次馬も含めて驚愕の声があがった。
その日、男子生徒…渡瀬祈光は、想い人に振られたことによるショック死で命を落とした。