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迅雷の魔女の生涯  作者: アレン:re
新しい出会いと厄介ごと
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消化不良の一日

逃げるように森に来た私たちは現在これからの対策を話し合っていた。


「なんであそこで攻撃なんてしちゃうのよ!」


(知るか、我はあいつの存在が気に入らなかっただけだ。それにあんなやつは一度痛い目を見ないとわからない)


「でも私が目立っちゃったじゃない!これからギルドに顔を出しづらくなる!」


(そんなもの、放っておけばいいだろう。貴様はいちいち気にしすぎなのだ)


「私は目立ちたくないの!ただでさえ変な噂も流れているのに・・・」


蛇は聞く耳を持たずに鬱陶しそうに尻尾を振っていた。


(もう終わったことに対して話し合っても無意味なだけだ。我は自分のしたことが間違いだとは思わん)


「確かにそうなんだけどさぁ・・」


理屈ではわかっていても納得できるかといわれれば難しかった。

あのままスイが魔法を撃ってくれていなかったら、おそらくレイナは襲われていただろう。

それを防げたと思えば、少しだけ溜飲も下がった。

この件はレイナを助けることができたからよかったと開き直るしかないだろう。

スイの言う通り、もうやってしまったことなのだから。


「まぁいいか・・・もうなるようになるでしょ・・」


半ば投げやりになりながら、私は開き直ることにした。

それにしても、つい勢いでいつもの森まで来てしまったがこれからどうするべきだろうか。


「これからどうしようか?しばらく森には来ない方がいいのかな?」


その問いに対して、スイが答える。


(いや、おそらく精霊に感情を操られた魔物はもう正気に戻っているだろう。精神操作も万能ではない。時間とともに徐々に正気に戻っていき、今から調査しても何の問題も出てこないだろうな)


「そうなの・・?でも、今日は冒険者がたくさん森の中に入ってくるだろうし、スイはあんまり姿を見せない方がいいかもね。」


(我は別に気にしないのだが・・・)


「私が困るのよ!お願いだからローブの中に戻っててちょうだい!」


(ちっ、注文の多いやつだ・・・)


そう言いながらも、大人しくローブの中にするすると入っていくのを見届けながら、私はいつも通り薬草などを摘みながら奥へと歩いていった。



「やっぱり冒険者いっぱいいて、まともに採取もできなかった・・・」


帰り道肩を落としながらそう独り言を漏らす。

朝の段階ではそれほど見かけなかった冒険者だが、昼頃になるにつれてその数をどんどん増やしていった。

昼過ぎにもなると、少し歩いただけで二、三人とすれ違うようになってしまい、今日の探索は諦めてその場で切り上げることにした。


森を抜けるといくつかの天幕が並んでおり、何人かの冒険者が野営の準備をしていたのを見ると、泊まり込みで調査をするのだろうか。

思わず意味ないから帰った方がいいですよと言ってあげたかったが、私が言ってもことが大きくなるだけだと思い踏みとどまった。


そんなこんなで、今日は早めに切り上げた私たちは、門をくぐって街へと入っていく。


「さて、今から何しようかなぁ・・・」


これからどうやって時間をつぶすか考えながら、一度宿に戻ることにした。

宿の両開きの扉をくぐると、ちょうどミランダがカウンターに座って昼食を食べている所だった。

こちらに気づいたミランダが笑みを浮かべて話しかけてくる。


「おや、おかえり!なんだい、今日は早いねぇ・・」


「あはは、なんだか森で異変が起こったらしくて・・・」


少し濁してそう伝えれば、 ミランダにも心当たりがあるようだった。


「あぁそういえば、今朝うちで食べてた冒険者もそんなこと言ってたような気がするねぇ。大丈夫だったかい?」


「えぇ!人がいっぱいいてまともに狩りもできないんで戻ってきただけですから・・」


そういうとミランダは安心したようにうなずいた後、自分が食べた食器を片付けに行く。

その途中に「昼ごはん食べるかい?」ときかれたので、お願いして少し遅い昼食にすることにした。

今日もここのご飯はおいしかった。



私は現在、ベッドの上に腰かけてスイに干し肉を食べさせていた。

なんでかというと、私が昼食を食べている間ずっと頭の中で(我の分はないのか?我も腹が減ったぞ)と響いていたからだ。

念話だけでフードの中から出てこないことに安心しながら急いで昼食を食べ、部屋に戻った。


(味気ないな・・おい愚娘、我はこの肉が飽きた。何か他の物はないのか?)


スイが文句を言ってくる。


「そんなこと言ったって、あなたが何食べるかわからないんだもん・・好きなものとかあるの?」


そう聞くと、スイは考え込むように視線を下に向ける。


(わからぬ・・食事をしたのもこの肉が初めてだからな。もっと別の肉をよこせ)


「なによそれ・・・じゃあ今からスイが食べられるものでも探しに行ってみる?時間はあるし・・」


(うむ、そうしようぞ!さぁさっそく出発だ!何をもたもたしておる、早くいくぞ!)


明らかに気持ちが高ぶったスイに袖の端を引っ張られながら、私たちは街に繰り出すことにした。

私は、どうかスイの好物が高い物じゃありませんようにと願っていた。

蛇って何食べるんですかね?なんかよくマウスとか食べるのは知ってるんですけど、それ以外食べるんでしょうか?まぁ普通の蛇じゃないんで、そこらへんは気にしてないんですけど・・・

何でも食えるでしょ!普通じゃないし!


この作品が面白い!続きが気になると少しでも思っていただけましたらブックマークと、


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