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迅雷の魔女の生涯  作者: アレン:re
新しい出会いと厄介ごと
35/46

最悪の相性

(我を介抱したのはお前か・・・?)


「・・・えっ?」


私が頭の中に響いてくる声に戸惑っていると、その声は今度は少し声音に怒気を孕ませながら再度質問を投げかける。


(聞いているのか?我を介抱したのはお前なのかと聞いている!)


その声に肩を跳ね上げた私は、先ほどからこちらに目を向けている蛇に向かって問いかける。


「あ、あなたが喋っているの・・・?」


(この愚図がっ!我以外に誰がいるというのだ・・質問の意味も分からないのか・・?)


その言葉にムッとした私は、こちらも怒気を孕ませつつ答える。


「・・・魔物が喋るなんて聞いたことない。」


(我をあのような下等な生物と一緒にするな!)


そういった蛇は、叫ぶようにそう言った。

その言葉には隠し切れない嫌悪が混ざっており、私の言葉に本気で嫌がっているのが分かった。


「あなたは魔物じゃないの・・?」


(我は崇高な目的のためにこの世に生を受けた存在だ!二度とそのような下等な生物と一緒にするな!)


「・・・崇高な目的?」


(・・ふんっ喋りすぎたか。まぁ手当に関しては感謝してやる、よくやった。それよりも、ここは何処・・・・・)


尊大な態度で感謝を述べた蛇は、首を回して辺りを確認する。

その途中でようやく気付いたのか、蛇は私の体の発行を見て目を見張る。


(お前は・・・・そうか、そういうことか・・・。)


意味深な言葉を吐いてまた黙る蛇に訝し気な目を向ける。


「どういうこと?私が何・・・?」


(ふむ、刻は宵・・ならばお前が今代の星詠みの巫女か・・。偶然か?いや、今はそれより・・)


一人でぶつぶつと考え込んでいた白蛇はいきなり私に向き直ると、こちらにその細長い体をくねらせて近づいてくる。


「な、なに?」


私は思わず後ずさるも、椅子の背もたれに邪魔されてそれ以上下がることはできなかった。

蛇はその間にどんどん私との距離を縮めていき、とうとう私の体を登ってくる。

足を伝う生暖かい感覚に悲鳴を上げるのをこらえて体を固める。


足から腰へ、そして腕を伝ってとうとう蛇は私の首元へとやってくる。

次の瞬間、蛇は私の首元へと噛みついてくる。

首筋に鋭い痛みを感じ、驚いた私は思わず叫んでしまう。


「いたっ!!何してんの!?」


蛇を引きはがそうと首元に手をやろうとしたとき、それを遮るように頭に声が響く。


(落ち着け愚娘、毒などではない、すぐに終わる)


そうは言われても急所に噛みつかれて落ち着いていられるほど寛大な心は持っていない。

私は蛇の言葉を無視してその細い体をひっつかみ、それを投げる。

突然投げられた蛇は体勢を崩すことなくうまく着地し、私にやれやれとでもいうように首を振る。


(全く、大人しくすることもできんとは・・まぁ三割ほどの魔力は戻ったから良しとするか。)


「あなた・・体が・・!」


床に着地し私を罵倒している蛇の体は、星詠みを行った時のように淡く発光していた。

体もすべて元に戻っており、鱗がすべて生えそろったその体は発光しているのも相まって前からあった神聖さをもう一段階引き上げているように感じた。


(ふむ、愚娘の魔力を貰った影響だな。おかげで枯渇した魔力も少しは戻った、礼を言うぞ。)


「私の魔力・・?そう言われてみれば、なんだか体がけだるいような・・」


(心配するな、少しだけだ。それにしても、愚娘・・貴様なかなかいい魔力量だなまだ幼いのになかなか優秀ではないか!)


今日初めて褒められたのだが、言い回しが気に入らなくて素直に喜ぶことはできなかった。

体がけだるいのを除けば、特に異常は見られない体にとりあえず安心し、肩の力を抜いて蛇を睨む。


「魔力が欲しかったんなら最初に言ってくれればいいのに、急に噛みついたりしないで!」


そういうと蛇はやはり尊大な態度のまま答える。


(何故我が愚娘如きの許可をいちいち取ってから行動しなければならん?あまり可笑しなことを言うな)


そのあんまりな態度に付き合うだけ疲れると思った私は、溜息を吐いて追及するのをやめた。

その言葉からは本当にそう思っているのが伝わってきたからだ。

話を変えようと思った私は、とりあえず自己紹介から始めようと名乗る。


「さっきから愚娘、愚娘って・・私の名前はラルーナっていうの!ちゃんと名前で呼んでちょうだい!あなた名前はなんていうのよ。」


(ふんっ、お前など愚娘で十分だ。我に名前などない、我は我だ。)


「なによそれっ!じゃあ、あなたのことなんて呼べばいいのよ!」


(そんなもの知るか、愚娘の好きなように呼べばいい、我は名前などに興味はない。)


その態度にいい加減頭に来た私は、静かに告げる。


「・・・そう、なんでもいいならあなたのことは今日から惰蛇と呼ばせてもらうわ。魔物にまんまとやられて今まで寝ていたあなたにお似合いよね!」


(愚娘・・貴様舐めているのか?我は貴様ら下等な生物と違って崇高な存在ぞ?その我に向かって惰蛇だと・・?)


蛇から怒気が膨れ上がる。

私に向かって鋭い視線を向けてきているが、そんなものにはひるまず私も睨み返す。


「だってあなたが何でもいいって言ったんじゃない!名前には興味ないんでしょ?いいじゃない!お似合いよ。」


(キサマぁ・・!)


蛇が下を向いて体を震わす。

その様は、まるで今にも噴火しそうな火山のようであった。

だが、完全に腹に来ている私もここまで来て引くことなどできず、なおも強気な態度で向かい合う。


「・・・なによ・・・!」


まさに一触即発。なにかきっかけがあれば今にも魔法を放ちそうにしている一人と一匹の間に緊張が漂う。

しかし意外にもその雰囲気を露散させたのは蛇の方であった。


(はぁ・・全くくだらない。こんな愚娘相手にまともなことを説いてどうするというのだ。ばかばかしい、我は眠るぞ、愚娘の相手をして疲れた。)


そう言って蛇はベッドにするすると上っていくと、布団の上で丸まった。


「ちょっと!そこは私が寝るところよ!下りなさーい!」


蛇は聞く耳をもたずに眠り続けていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇


表紙が私好みの日記を買った。


色んな事があって、どこから書こうか迷うけどやっぱり今日のことから書いていこうかな。


私は今日魔物を拾った。


なんでそんなことをしたのか自分でもわからないけど、気づいたらそうしていた。


まだ目を覚まさないけど、他にできることもないので今はまだ起きるのを待つことしかできない。


本当はダメなことなんだろうけど・・助けてしまったものは仕方がない。




無事に目を覚ましてくれたらいいな・・・




あのクソ蛇、明日絶対に捨ててやる!!!!



◇◇◇◇◇◇◇◇


日記の最後にそう書きなぐり、私は固い椅子の上で瞳を閉じた。

相性も愛称も最悪ってね。っはは

こいつら一周まわって仲いいだろ!って展開になっちゃいました。

 

この作品が面白い!続きが気になると少しでも思っていただけましたらブックマークと、


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