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4 知り過ぎていて、過去
父さんが店のシャッターを閉める時間になると、母さんは
家のキッチンの方で家族の為の夕飯の支度をする。
煮物やご飯が炊ける匂い、揚げ物の音、トントンと野菜を刻む音、
このあたりまえだった穏やかな日常がとても懐かしい。
「何か手伝おうか?」部屋着に着替えて、私もキッチンに母さんと並んで立つ。
「あらそう? ‥どうしちゃったの? 自分からそんなこと言うなんて」
母さんは嬉しそうに笑う。
「そうそう奏恵、さっき 裏庭も掃除してくれてたでしょ?
ゴミ箱まで洗ってくれてて‥、ゴミ出しに行って びっくりした!
ゴミ箱の場所、動かしたのね。案外こっちの方が使い勝手が良いわね」
「」