1.
新連載...というより、処女作になります。
文章がおかしい、流れが悪い等、読みにくい場面も多々あるかと思われますが、
手探りで頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
『もし...私たちがまたどこかで巡り会えたら、その時は...』
「必ず君の魂を見つける。...そして君を...」
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目の前に広がるは、どす黒く濁る≪赤≫だった。それは、誰のものか明白で、鼓膜を引き裂く騒音の嵐は、事の重大さをまざまざと知らしめるものに他ならなかった。
事故だ。
これでもかと積み荷が積まれた大型トラックが、道路を曲がり切れず歩道に突っ込み、横転したのである。
下敷きになったのは、年若いカップル。二人とも即死に近い状態ではあったが、辛うじて息のある状態で救出され、最期の時を待っていたのだ。
「...君...だ...じょ...ぶ...?」
血を吐き出す俺の隣で横たわるは、最愛の彼女。俺の大好きだった漆黒の髪は、今や血に濡れ、陶器のようにシミ一つない真っ白な肌は、流した血に比例するように青ざめていた。絞り出した声もか細く、隣で横たわる俺ですら、聞き取るには苦しかった。
あぁ...痛いだろう...苦しいだろう...
ごめんな...俺が弱いばかりに。
君のことを最期まで、守り切れなかった...
ふがいない俺をどうか、どうか許してくれ...。
頭に浮かぶは、懺悔の言葉。愛する人を傷つけた罪への報い。
しかし、口から出るのは、嗚咽と咳と、自身の≪赤≫のみだった。
遠くから響くサイレンの音。甲高い悲鳴、野次馬の群れ。事故によって渋滞を起こしたことにより、あちこちからクラクションが鳴り続け、俺たちは一躍有名人にでもなったようだ。
...二人ともひん死の状態を除けば。
俺も彼女も、残された時間はそれほど残っていない。今にも消えてしまいそうな彼女に向けて、伝えなければ...
重い身体に鞭を打ち、横たわる彼女の手を握る。
握り返されることはなかった。
もうその力も、残されてはいないのか。
冷たくなる体温に寒さと恐怖を覚える。
ようやく駆け付けた救急隊員が、固唾を呑んで見守る姿を横目に、震える呼吸を沈め、愛する人の耳に、言の葉を紡いだ。
「必ず君の魂を見つける。そして-」
涙と血でぐちゃぐちゃの顔に、これ以上ないほどの幸せな花が咲くのを見届けて、俺の意識は絶えた。
いきなり事故のお話でびっくりされた方も多かったと思います。すみません。
次回以降は、ほのぼの(?)としたお話になると思います。温かく見守ってくださると嬉しいです。
活動報告や新話投稿の際のお知らせになれば...と思い、現在Twitterアカウントの作成を検討しております。アカウントができ次第、お知らせできればと思っております。そちらも合わせて、楽しんでいただけると幸いです。