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プロローグ
人は「国」に住むのではない「国語」に住むのだ。「国語」こそが我々の「祖国」だ。
この国には色がない。
この国には情動がない。
この国には気概がない。
この国には議論がない。
この国には進歩がない。
この国には文化がない。
この国には誠実さがない。
この国には仲間がいない。
この国には矜持がない。
この国には知性がない。
この国には品がない。
この国にはまともなテレビ番組がない。
この国には銃がない。
この国には理想がない。
この国には若者がいない。
この国には闘争がない。
この国には未来がない。
そして、私には何もない。
故にそこがいい。