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悪役令嬢に転生した、はずですが?  作者: れもん。
1章
4/142

2 悪くない悪役令嬢のすること。

ブックマーク嬉しいです!ありがとうございます。

シェリア視点です。

「とはいっても、悪くない悪役令嬢って何するんだよ?」


「それはもちろん……」



 言いかけたシェリアは、フィデルのもっともな疑問に言葉に詰まった。



「世界征服に見せかけて世界を平和にするとか?」


「悪役令嬢ってそんな大それたことするのか?」


「じゃあ学院の池にポイ捨てしたふりをして実は鯉の餌やりとか?」


「いきなり規模が小さいし、それヒロインへの嫌がらせになるのか?」



 フィデルの正論に確かに、とシェリアは頷いた。世界征服やポイ捨ては我ながら名案だと思っていたが、ヒロインにはあまり嫌がらせになっていないのだ。


 悪くない悪役令嬢を演じきる!と宣言した以上、表面だけでもそれっぽくはなっておきたい。



「そもそも、リアはどんなのを目指してるんだよ?」



 改めて聞かれると全くの無計画だったシェリアは、うーん、と考え込んだ。


 悪役令嬢はそれが自分の配役である以上演じ切りたいが、実際に悪事を働くのは嫌だ。とはいえ、表面だけの悪役令嬢というのもなかなか難しいし、社交界で変な噂が立ってしまえば家族にも迷惑がかかってしまう。シェリアもそれは避けたかった。



「私、何を目指してたんだっけ?」



 シェリアの呟きに、本人ですらも迷走してきたのを感じたのかフィデルはため息をついた。



「とりあえず、悪役令嬢だったらいいんだな?」


「うん。たぶん」


「たぶんって……。まあ、とにかくリアの話を聞く限りでは、リアは俺と仲良くなるヒロインを邪魔するのが役目なんだよな?」



 シェリアはこくんと頷く。



「なら、リアが俺とずっと一緒にいて、そのヒロインが近づいてきたときに邪魔すればいいと思わないか?」



 しばらく話が飲み込めず、首を傾げたシェリアだったが、なんとなく理解すると曖昧に頷いた。


 熱で朦朧とする頭を使い、状況を整理するのに精一杯だったシェリアは、話が自身の悪役令嬢計画よりもフィデルのいいように進んで行っているのに気づかない。



「そう、かも?」


「なら、これで悪役令嬢の話はおわり。明日も見舞いに来るから」



 シェリアは結論を消化しきれず、首を傾げていたが、自分よりも賢いフィデルの言うことなら大丈夫だろうとフィデルの言う通りにすることにしたのだった。結果として悪役令嬢がどうこうよりも、フィデルがシェリアと一緒にいる正当な理由を手にいれただけだということにも、もちろん気づいていない。



「また明日」


「うん。またね」



 別れの挨拶をしてすぐに布団に潜ってしまったシェリアは、フィデルが少し口角を上げていたのを見逃してしまった。

倒れた原因でもある熱のせいで少し思考がぼんやりしてるシェリアは考えることのほとんどをフィデルに任せてしまっていますが、本当はちゃんと自分で考えて行動できる子です笑

全部熱のせいなんです。

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