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悪役令嬢に転生した、はずですが?  作者: れもん。
1章
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調査と真実

 フィデルは三日ぶりに帰ったレヴィン公爵邸で、レヴィン家の情報網から入手した資料とルティルミス伯爵から届いた資料とを見比べていた。



「やっぱりメルディア嬢か……」



 結論から言うと、計画して提案するまではメルディアがやっていたようだが、実行犯は別にいた。あのナルシスト────グレン・マクレーンだったのだ。


 冷静に考えればグレンはかなり大胆に動いていたし、シェリアの記憶が一部飛んでいたなど怪しい点はいくらでもあった。けれど、そのときはそれどころではなく、シェリアのことも本人の言うように「恋」なのかとまともに考えていなかったことが悔やまれる。


 すでにグレンは禁術を使い、法を破った者として拘束されているが、メルディアは実行犯ではないということ、そして王子のお気に入りであることから一月の謹慎程度で済んでいた。フィデルにとってはかなり腹立たしいが、貴族社会ではよくあることだ。


 しかるべきところでの聴取は進んでいるが、二人とも「相手を魅了する魔法だと思っていた」と言っているらしい。二人の言葉を信じるわけではないが、さすがに人の精神を壊す魔法などは国家機密なので、存在を知るのも難しいだろう。となれば誰かが二人、もしくは提案者のメルディアに教えたということになるが───。



「結局だれかはわからない、か」



 ふう、とフィデルはため息をついた。


 レヴィン公爵家とルティルミス伯爵家の情報網を使っても足がつかないような者といえば、ろくなやつではない。生まれてから死ぬまで裏で生きていくような人間だろう。となれば、フィデルも簡単に辿ることはできなかった。


 シェリアの禁術もまだ完全には解かれていない。何かの拍子に再びあの状況になってしまってもおかしくないのだ。もちろん何度でもフィデルは助けに行くつもりではあるが、毎度毎度助かるとは限らない。


 そう思えば早くそいつを見つけ出して、解呪の方法を知りたいと思うが、現実はそううまくはいかない。



「そろそろリアの家に行くか」



 フィデルは、まるで平民の子供がお隣の家に遊びに行くような調子でそう言って席を立つのだった。

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