無気力
「なぜ弊社の求人へ応募したのですか?」
「いや、特に理由はないんですけど」
「はぁ...じゃあ学生の時打ち込んだものは?」
「いやぁ、特に...」
「将来のプランは?」
「別に...」
「あのねぇ!君、面接の意味分かってる!?面接っていうのは、君のやる気や適性を見るためのものなの!そんなんじゃどの会社にも受からないよ」
「...死にたいんです。私、死にたいんです。」
「はぁ?...ったく最近のは...ふざけてるの?とにかくうちでは君を雇うことはできないから、どうぞお帰りください」
「はい...失礼しました。」
黒革のバッグを握りしめ、私は面接室を足早に出た。
この調子で、ここ2か月で受けた面接は全て不採用だ
なんで自分が働いているのか、なんで自分が生きているのか、全くもって意味が分からなくなってしまった
いや、もともと生きることに執着したことは無いんだけどね...
私、早坂りんご、25歳、趣味無し。
彼氏?いないよそんなもの
出来たことないし、要らないかも
19歳の時に、何か特別なものを手に入れたくて、アメリカのボストンに2年間留学したんだけど、私みたいな人間に、得るものなんか何もなかった。
いま、自分が気楽に死ねる場所を探してるの




