さがしもの
電気を消した
お風呂を出て
今まで誰もいなかった
暗い部屋に戻ってくると
かさかさかさ
こそこそこそ
誰かがそこにいるよって
主張する音が響いてくる
こんな気持ち悪い事
他にないってことくらい
誰だってわかる秋の夜
誰がどこに居るんだろう
どこかに誰か居るんだろう
クローゼットも
玄関も
くまなく探してみたけれど
誰もいなかった部屋の中には
僕以外の誰かなんているわけなくて
馬鹿だなぁ
自分の影におびえてる
かさかさかさ
こそこそこそ
影はどんな音も立てないのに
ありがとうございました。