プロローグ~彼氏~
初投稿です。
稚拙な文章ですが読んでいただけると幸いです!
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ある高校の放課後、グラウンドでは野球部の金属バットの音や、サッカー部のシャトルランのホイッスルの音が聞こえる。校舎では、吹奏楽部が校内に散らばって野球部の応援歌の練習をしており、どこかの同好会が、ふざけすぎてガラスを割って学年主任に説教を食らっている。
俺は、そんな平凡な日常に飽き飽きとしていた。何の気なしに校内をぶらぶらしていたら、旧生徒会室の前にいた。中に入ってみようとしたら、偶然にも部屋の鍵が空いていたので、ドアを開けて室内に入っていく。
「ようこそ勇者よ、我の名はニャル、これからよろしくな。」
どこからか、声が聞こえてくる。ただ、何のことかわからないので、聞き返してみる。
「すまない。人違いじゃないのか? 俺には特殊な技能もないし、可愛い女子が俺に好意を抱いてくれてないし、第一イケメンでもないぞ。」
うん、言ってて悲しくなる。が、全部本当だ。俺の主人公的要素は、せいぜい現実に飽き飽きしている事くらいだ。
「えっと、あっはい。ちょっと確認しますね。保留っと、マスター! 旧生徒会室に入ってきた男別人っぽいんだけど、どうしよ~。」
なんで、電話っぽいんだよ……しかも、キャラ変ってるし、保留にもできてないし。まぁ、気にすることはないだろう。そのまま待っておく。
「だって、放課後に旧生徒会室に来るぼっちとかいると思わなかったし……はいはい。断わりますよー! 保留を切……って保留になってなかったわ。まぁいいよね。あんた違ったし帰っていいよ。」
そんな事だろうと思った。まぁ、今日はなかなか面白い経験が出来たし、楽しい一日だったな。そんな事を思いながら帰路に着く。
俺の魔王を倒しに行く旅や、異世界での冒険、ハーレムラブコメはいつ始まるのやら……
「ふぅ、楽しかった。」
僕は、しっかりゲームをセーブしてから、携帯型ゲーム機の電源を落とす。
「あのさー、優? いつもそのゲームやってるけどなんか面白いの? 見てる限り、面白いところないんだけど……」
僕の隣にいた彼女の桜宮 玲菜(通称れーちゃん!まあ呼んでるの僕だけなんだけど……)が聞いてくる。
「まぁ、確かに傍から見ていたり、興味のない人には面白くないんだけど、やってたら面白いんだよ?」
「そういうものなのかな。まぁ、私の読んでいる小説とかもそんな感じだし、たぶん、やってたら面白いんだろうね。」
彼女のれーちゃんが、そう言った後、持っていた本に目を落とす。
僕の日常はこんなもの。残念ながら僕はこの日常に飽き飽きしていないから、この物語は魔王を倒しに行く旅に出発しないし、異世界に行くこともないし、ハーレムラブコメにもならないと思いますよ?
お読みになっていただきありがとうございました。