7/9
荊の緋
指先を傷付け 作り上げて
僕の罪を織り込んで
編み上げて 荊の拘束具
産れてきた事が 罪だと
思い続けた僕への戒めに
生きている事が 罰だと
自嘲し続けた僕自身への
この上ないみせしめに
冠せて…汚れた荊の王冠
君の心が流した血と僕の血
二人で編んだ荊の拘束具
これ以上誰も傷付けない様
舌にも巻き付けて
声を奪って 光を奪って
君への想い以外の総てを
奪い尽くしてほしい
僕を愛しているのなら…
「産まれてくれて良かった」
「生きていて」
なんて優しい残酷な言葉
ありがとう 愛しい人
苦しみならば二人で
分け合おうと言ってくれた
優しい 愛しい 残酷な人
これは僕だけが背負う
永遠に続く…罪悪感
君には 背負わせたくない
君には 背負えない 僕の罪
突き離している訳じゃなく
突き離されたい訳じゃなく
かと言って……
がんじがらめに縛り付けて
閉じ込めたい訳でもなく
無意味に苦しめたくない
ただ それだけ
『それだけ』が憎いと
君は言う
でも愛してると僕達は想う
死ぬ時は一緒に と願い
儚い約束に唇重ねて
愛憎隣り合わせに
歪んだ約束…ずっと一緒
君と繋いだ手首の荊
じわり じわりと血を流す




