表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我が家の愛神は酒神☆カンパリーナ先生 ~翻訳を任されましたが意味不明です~  作者: 酒神☆カンパリーナ/訳:神沢あつし
【第一章】鹿の街で呑む
5/18

5・レベルアップ

 皆で朝まで呑んで騒いでかガンツさんに宿屋を紹介して貰おうとしたら保安官事務所なら寝泊まり出来るから使って良いと鍵を渡された。

 所持金も心もとなかったのでガンツさんには感謝じゃの。


「うーむ、此処でもないのぉ、あと残ってる場所、まさかのぉ」


 食堂を出て保安官事務所についた妾は片っ端から扉を開けようとしたのじゃが…。

 その殆どが施錠され妾の鍵では開かなんだ、唯一開いた扉は一番頑丈そうな鉄格子の扉じゃった。


 扉の奥にある階段を降り暗い通路を進んでいくと幾つかの金属の扉、一番手前の金属の扉に鍵を差し込み廻すとカチンと小気味良い音で鍵が開いた。

 恐る恐る重い鉄の扉を開けてみたが質素なベッドと蓋のついていない便器そして窓も無い、地下牢か?、保安官事務所なら独房じゃね?、これ独房じゃないかの?。


「まあなんて素敵なお部屋でしょう排水設備も有ります、寝藁でもなくベットも有ります、光取りの小さな竪穴も有りますなんて匠の技を感じますじゃないのじゃ!!、ザ独房なのじゃ!!、乙女にこの扱いわなかろう?内側からは勿論鍵閉まらんし」


 ドアの前にベッドを押していきドアを塞いでから寝ることにした、乙女を独房とかガンツさんはもう呼び捨てで十分じゃ、光取りの窓もないので薄暗いのでおやすみなのじゃ。


 体内時間というか空腹に目を覚ましてもそもそとベッドを抜け出す。


「う~ん」


 と小さく声を上げて伸びをすると一瞬この動作に嫌な記憶が思い起こされるが特に何も起こらなかった。

 ベッドを元の位置に戻し階段を登り保安官事務所へと上がるがガンツの姿は見えなかった。


 腹の虫に導かれ昨夜の料理屋へ向かうことにした。

 道すがら昨日見かけた鳥皮マスクの二人組に挨拶がてら声を掛けたら指さして肩を震わせた後に肩を肩を竦めてから儀礼的に頭を下げられた。失礼な奴らじゃ。今度合ったら酒の席に呼び出してやる。


 次はガンベルトメイドさん、妾に気がつくとスカートの裾を摘み会釈して近づいてきた。


「リーナ様、昨夜は我が主を饗しいただき有難うございました」


「ん?何の事じゃ?昨夜の酒席に参加しておったのか?その主とやらは?何故妾の名を知っておる?」


「失礼いたしました、お名前は昨夜酒席に参加させていただいた主より伺いました、我が主ナポリ・リモネン様はリーナ様に大変感謝しておられました、久しぶりに美味な酒を振る舞われたと」


「そうじゃったか、旨い酒、良い出会いがある、妾こそ感謝する、又盃を酌み交わそうぞと伝えてくれるか?」


 そうじゃ、妾が求めていたのはコレじゃ、酒を酌み交わし気心が知れていく、一時でも共に騒ぎ酒の味に喜び合い笑い合う。


「畏まりました、我が主も歓ぶ事でしょう、リーナ様申し訳御座いませんが仕事の途中で御座いますので失礼致します」


「うむ、宜しく伝えておいて欲しいのじゃ」


 笑みを浮かべて去っていくガンベルトメイドさんの耳が嬉しそうに?ヘッドドレスから溢れた耳が頭頂部でピーンと立ったままゆらゆら揺れていた!?。

 わんわんお!?わんわんじゃ、獣人種だったのか。

 ガンベルトメイドさんは気がついたのかヘッドドレスに隠した、この星にダイブして初めて獣人族を見た喜びでほっこりしたのじゃ。


 食堂の扉を開き中の様子を視てしまった、ガンツのおっさん(地下牢を進めた罪により心の中で呼び捨て)その他3名がテーブルを笑い合いながら囲み飲んだくれておったが無視じゃ。

 二食続けての酒の配膳係とかやりたくないのじゃ触らぬガンツに祟無しなのじゃ、妾は店員さんに進められたカウンターの席に座る。


 壁の時計を見ると昼には少し早くらいじゃ、昨晩のつまみも豆や乾燥肉が多かったがなかなか美味じゃった。

 店員に食事がしたいと注文、先に置かれたグラスの水を飲み干し他の客に魔法光が見えないように隠しながらエールを注ぐ。

 ちびちびとエールを舐めて待っているとパンと真っ赤なスープが配膳されてきた。


「ほう、なかなか美味そうじゃの」


 妾の視線は赤いスープへと釘付けになる、赤いんげん、レンズ豆、ひよこ豆、ひき肉、香辛料、唐辛子、チリコンカーンじゃなこれは、ふむふむと頷きながらスプーンですくい口へと運ぶ。

 うむ、この食堂の料理人は解っておるな。

 ひき肉に多く脂分を含ませる事で辛味を抑え旨味を増しておる、良い仕事じゃのぅ、妾はちぎったパンにスープを浸し一心不乱に食べ進む。

 俺の食事は豆ばっかりだ!と不満をぬかしたやつ出てこい妾が説教してやる。

 パンとスープ、空いたグラスに酒魔法でエールを注ぎ飲み干し。


「ご馳走様なのじゃ」


 満腹の腹を抱え満足顔で勘定をしよう席を立ちあがると半円状に妾のカウンター席が囲まれておった…。

 店主も苦い顔をして申し訳無さそうにしておるし、仕方ないのぉ、カウンター席の隣の椅子に片足を乗せニヒルに店主に微笑む。


「ガンツ、そして酒を愛する我が同胞よ、美味い酒が飲みたいかー!」


「「「「「「「「「「「「「「「「おーーーー!」」」」」」」」」」」」」」」


「!振る舞うのは昨夜限りじゃ!うまい料理を提供するこの店の店主に迷惑を掛けるなど言語道断じゃ!店主よこの店のありったけの殻の酒樽を持ってくるが良い、妾が全て満たしてやるのじゃ、お主らが呑みたいなら対価を払い店主の懐を潤すとよいのじゃ!」


「「「「「「「「「「「「「「「「おーーーー!」」」」」」」」」」」」」」」


 店の奥から酒樽を運び込む店員、樽を満たす度に持っていく客達、呆然とする店主、全ての樽をエールで満たスために酒魔法を行使する妾、最後の樽がもう少しのところで脳内にファンファーレが流れた。


『リーナのレベルがアップしました』


 と表示された、過去の異神界で慣れたレベルアップの知らせ、ポイントを割り振りますか?『はい』『後で』の選択は『後で』を選択しておく。


 全ての酒樽を満たしてから、お会計を店主に申し出ると必要ないと言われた、頑なに拒まれたのとステータスの割り振りがしたいので口論せずありがたく申し出を受けることにして食堂を後にした。


 保安官事務所の地下牢に戻りベッドでドアを塞ぎ腰掛けてステータスを確認する。

 ステータス画面には振り分けられるエクストラポイントが+10と表示されておった。

 魔力に全振りじゃ。

 ポイントを割り振って出せるアルコールの度数を増やすことで酒の種類を増やすのが良いじゃろう。


 今気がついたのじゃがHPもMPもステータスは疎か項目すらない、明日にでも協会に行って天使に聴いてみるのじゃ。

 ステータスアップの恩恵でリキュール類をちびちび出しては舐めて味を確かめて就寝じゃ。


ふあぁぁ、おやすみなさいなのじゃ。

名前 :リーナ

性別 :女

種族 :人族

職業 :賞金稼ぎ・岡っ引き

ランク:F

レベル:1→2

筋力 :9→13

俊敏 :9→11

魅力 :49→52

運気 :9→10

魔力 :9→15(+10)=25

年齢 :18歳

身長 :155

家柄 :不明

家族 :不明

スキル:《飲酒運転》《酔拳・特級》《法令遵守・失効期間29日》《捕縛術》《逮捕術》《酒魔法・特級》

見た目:赤紫毛ドリル・丁髷

   :スタイルそれなり

装備 :武器《鉄の十手》

   :防具《岡っ引きの肌着》《岡っ引きのズボン》《岡っ引きの上着》《岡っ引きのベルト》《岡っ引きブーツ》

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ