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天然女の子って可愛い

第一節


日射しが射し込む春休み最後の日曜日。去年ならば高校が楽しみすぎて準備で忙しかったのだが今年は別のことで忙しくなってしまった。それはオヤジの知り合いという女の子のせいであった。


◇◇◇


「あ、あの初めまして桜弥生と言います」

弥生は頭を下げ自己紹介をした。昂も頭を下げ自己紹介をした

「文月昂です。よろしくお願いします」

握手を交わすとソファーに座るように案内をして向かい合わせに座りこの状況について話しあった。

「それで桜さん。この家に来た理由を聞いてもいいですか?オヤジはなにも言ってくれなかったからよくわからなくて」

「それはですね……わたしを養子にしてくれたんです。身寄りがなくて施設にいた私を……」

文月海斗。昂の父親であり、10年前から昂を一人にして天使を研究するために海外を転々としている。誕生日はだけは欠かさずに帰ってきてくれるが忘れっぽいところもある。

「オヤジが養子ね。日本に帰ってきたなら家に帰って来いよな」

「そのことで伝言を預かってるんです」

その時だ。タイミングを見計らったかなのように電話がかかって来た。またもやオヤジだった。二度目になると驚くこともない。

「今度はなんだよ」

『可愛いからって襲ったらダメだぞ』

そこでまた電話は切られてしまった。

「……また切られた」

自分の親に信用されてないと思うと肩を落とさざるおえない。確かに年頃の男女が二人きりで同じ屋根の下に暮らすわけだから疑ってもしょうがないとは思うが……

「ん?二人きり?」

気づけば弥生は部屋におらずその代わりにシャワーの水の音が聞こえていた。弥生はお風呂に入っていた。

「お、落ち着けよ俺。慌ててたら負けだ。ここはテレビを見て座っておこう」

そして見たテレビがいつもは見ないバラエティー番組だったがこの時ばかりはとても頼りになった。そして内容はこんなにつまらないということも……


◇◇◇


「す、すいません。シャワー勝手に浴びてしまって」

数分後、弥生がシャワーを終え、リビングに帰ってた。昂も弥生に「いいよ」と言おうと後ろを振り向くと何故かシャツ一枚の姿だった。その為下着がシャツが動く度にチラチラと見える。これは決して見たくて見ているわけではなく不可抗力と言うやつだ。

「ズ、ズボンを履いてくれよ」

すると何故か首を傾げ、

「家族なら普通と聞きましたが」

「どこに下着を見せ合う家族があるか!」

「だって淮斗さんが言ったんですよ」

「……オヤジめ」

心を落ち着かして弥生を見てみると凄く可愛いのはわかる。モデルだと言われれば納得のいくプロポーション。胸も大きくもなく小さくもない。身長もそれなり。こう、意識してみると目を合わせることが出来なくなっていた。

「どうしたんですか?」

近づいてくる弥生を見て昂は、

「お、俺も風呂にでも入ろうかな」

と慌ててリビングを出てしまった。「あ、昂さん!?」と弥生の声がしたが今はこの空間から出ることが最優先だった。脱衣所に着くと服を脱ぎ捨て頭や体を洗わずに湯船に飛び込む。

「はぁぁぁぁ全くいい湯だ。きっと風呂だけが俺の安息の地だ」

そしてこれからの生活のことを考えることにした。


◇◇◇


「長湯しても健康に悪いし、上がるとしますか」

色々と考えた結果、長湯してしまいなんの答えも出せなかった。服を着替えてリビングを戻ると腹が鳴る。

「そう言えばカレー食べるの忘れてたな」

台所に行くと流しに皿がひとつあった。それにはカレーのあとがついてあり昂は弥生が食べたことに気づき肩を落とす。リビングを見ると弥生がいないことに気づき推理した。ここまで来ると天然もいいところだと。だとすれば弥生のいるところは大体想像がついてしまい、昂は同居生活の初日をソファーの上で夜を明かすこととなってしまった。


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