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5F列車 それが普通

 回復運転続行で興部(おこっぺ)から先に走る。

「ご乗車ありがとうございます。名寄本線(なよろほんせん)普通列車遠軽(えんがる)行きです。この先沙留(さるる)渚滑(しょこつ)潮見町(しおみちょう)紋別(もんべつ)元紋別(もともんべつ)小向(こむかい)沼ノ上(ぬまのうえ)中湧別(なかゆうべつ)上湧別(かみゆうべつ)開成(かいせい)の順に終点遠軽(えんがる)まで停車してまいります。次は沙留(さるる)。沙留です。なお、途中の旭ヶ丘(あさひがおか)豊野(とよの)には停車いたしませんので、予めご了承ください。」

というアナウンスが入った。このアナウンスを聞いて矛盾に思うことが誰でもあるはずだ。そう。普通列車でありながら、すべての駅に停車しないのだ。すべての駅に停車するから普通列車であって、一つでも駅を通過したら、それは準急(じゅんきゅう)となるのではないか。しかし、私はそうは思わない。これが北海道の普通なのだ。北海道の路線が乗っている時刻表のページを開いてみても、すべての駅に停車する普通列車のほうが少ないような気がする。どこかしら一つぐらい通過する列車が多数設定されている。これは名寄から分岐した宗谷本線(そうやほんせん)深名線(ふかなせん)も同様である。深名線で例を挙げるとしたら、名寄の隣である西名寄(にしなよろ)だろう。

 その後列車は小さい駅を確かに二つ通過して、沙留(さるる)に到着した。沙留も入れ替えが可能な駅。この時間に入れ替えは存在しないが、タブレットを受け取らなければこの先に進めないというのはどこでも同じこと。駅員からタブレットを受け取り、今までのタブレットを駅員に渡す。そして、時間が来たら発車する。私はこのとき沙留の改札からこちらへ向かって走ってくる一人のおばあさんを見つけた。運転士もそれに気付いたらしい。

 運転士はすぐに列車を止めた。発車してちょっとホームを離れたところだったが、かろうじて後ろのドアがまだホームの位置に残っている。後ろのドアだけを開けて、おばあさんが乗り込むのを待った。乗り込んだことを確認して、車掌がドアを閉める。気を取り戻して、また発車。

 紋別までの停車駅は渚滑(しょこつ)潮見町(しおみちょう)。このうち次の停車駅である渚滑では3年前に廃止された渚滑線(しょこつせん)という路線と接続していた駅である。名寄本線(なよろほんせん)で他にこのような駅は興浜南線(こうひんなんせん)と接続していた興部(おこっぺ)湧網線(ゆうもうせん)との接続駅であった中湧別(なかゆうべつ)である。潮見町を発車して、次が紋別(もんべつ)。紋別も名寄本線の要所である。私は紋別で途中下車し、お昼も食べがてら11時40分発の普通を待つことにした。なお、列車は紋別に4分遅れで到着した。

各駅に停車しない普通列車は駅の構造上の都合により、各駅に停車する列車と混同を避けるために便宜的に使っている例もあります。例としては南海電鉄の南海本線と高野線です。

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