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4F列車 峠

 次の列車は下川(しもかわ)発8時37分。1時間以上の間列車がないことになる。ちょっと下川の外を歩いてみた。自分は雪を踏み経験があまりない。外を歩くと滑って、雪の上にしりもちをつくのが落ちであった。

 8時29分。目的の列車が到着した。さっきと同じキハ40系だ。下川(しもかわ)から名寄に戻り、8時05分の列車で再びここまで戻ってきたのだろう。発車までは8分ある。この間何をしているかというと・・・。特にすることは何もなかったようである。何も待つことなく列車は下川を発車した。

 単行のディーゼルカーは次の二ノ橋(にのはし)に停車。二ノ橋も中名寄(なかなよろ)と同じような駅だ。乗客の出入りは全部で5人。発車。列車はこの先上興部(かみおこっぺ)までの各駅にこまめに停車していく。その間にある駅は全て中名寄と同じ設備がある駅だ。上名寄、下川程の設備は名寄本線(なよろほんせん)にとっては贅沢なのだ。

 幸成(こうせい)を発車して、一ノ橋(いちのはし)。一ノ橋と上興部の間には天北峠という峠がある。ここを越えることができれば、名寄本線の難所をほぼクリアしたことになる。

 ここまで難所が少ないのは名寄本線(なよろほんせん)が難所を避けて建設されたことにある。名寄本線は旭川(あさひかわ)遠軽(えんがる)の間を結ぶにはとても大回りである。しかし、名寄本線が完成した当時天北峠(てんぽくとうげ)よりも難所である石北峠(せきほくとうげ)北見峠(きたみとうげ)をぬけることができるほどの建設能力がなかった。つまり、旭川から遠軽を最短で結ぶ路線が建設できなかったのである。そのため、遠軽以東へ直通するすべての列車は名寄本線を経由しなければならなかった。しかし、石北線(せきほくせん)(現石北本線(せきほくほんせん))が完成すると状況は大きく一変した。石北線は旭川から遠軽を最短でぬけることができる路線として建設された。この時点で、名寄本線を経由していたほとんどの列車が石北線経由となり、名寄本線はローカル輸送に切り替わったのである。

 さて、峠をぬけるディーゼルカーの前にとんだお客が入り込んできた。何とシカである。この冬では食べるものがなくて困るだろう。運転士は即列車を止めた。線路を塞いでいるのでは仕方がない。線路からどくのを待って、発車。今のことで列車は6分ぐらいの遅延で上興部(かみおこっぺ)に到着。しばらくは、この4分の回復のための運転となるだろう。

 しかし、興部(おこっぺ)に着くまでの間回復運転はむなしいものがあった。何とか3分に短縮したものの興部で待たせていた名寄行き普通列車にも遅延を発生させてしまった。待っていた名寄行きの運転士から駅員を介して、この先のタブレットを受け取る。そして、また発車。興部からかなり乗客が増えて、車内の席はいっぱいになった。

こういうこともあっていいのでは・・・。

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