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タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する  作者: 雨香
第1章

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エピローグ


目覚めてから一週間たって、私はずっと公爵邸で過ごしている。

事件のその後も少しだけ聞いた。


カイウス殿下は斬首にするには元の身分が高すぎたので、新たに辺境伯の地位を与えて、グラセン領とは聖都を挟んで正反対の位置にある辺境の領主になるんだって。

元々私が来る前は、第一王子殿下にお子様が生まれれば、どこかの貴族家に婿入りする筈だったそうだから、そんなに変わらないのかも。


一生幽閉と検討されているって聞いた時に私が反対したからってのもあるみたい。

一生幽閉って…………こわすぎだよ異世界。


表向きには、私を自分のものにしようと薬を盛ったカイウス殿下の脅威から自らを守ろうとドームに閉じこもった、という事になっている。

濃縮魔毒とか、人体保存ドームとか、公表出来ないことが多いから仕方がない。


因みにドームで受け取ったシェイド様の通信魔法は、何回やってもらってももう受け取れなかったので、あれはドームが受け取ってくれただけという事が分かってガッカリしている。シェイド様通信、欲しかった。



「姫様!事件解決の褒賞として、僕達兄弟の男爵位の復権が認められたんです!!すごいです!!!」


テオ君が部屋に飛び込んで来て、後ろを慌ててアラン君が追いかけて来た。


「貴族になるの?今と何か変わっちゃう?」


「「 何も変わりませんっ!!」」


「ふふふ、良かった」


テオ君は午前中はおじい様のところで私と一緒にお勉強(王城の廊下の書籍はもう全部読み終わったんだって)、午後は何故かじいやに付けられて家令見習いになっている。


アラン君は毎日シェイド様に扱かれていて、傷だらけだ。何故僕一人だけ?と涙目で不思議がっている。


ケイトさんは相変わらずの社畜だけれど、ばあやといっしょにすごく楽しそう。

あ、私からお願いして新しいマナーの先生にもなってもらってる。


おじいさまは公爵邸の図書館を改築させて可愛らしい住まいを作り上げていた。

(シェイド様のお金を使うのが楽しいらしい)

 

私はというと、四ヶ月眠っていた事で筋力が落ちて、歩く事が困難になっていたので、目下リハビリ中だ。

シェイド様が毎日付き添ってくれて嬉しい。



「アラン君、シェイド様はこれからどうなるの?」


「第一騎士団が崩壊しましたので、現在団長預かりになっています。もう第一第二の区別を無くして全部を団長に面倒みてもらいたいってのが王家の希望なんですが……ご本人が嫌がりまして」


「そうなの?なんでだろ、総騎士団長なんて…………かっこいいのに!!」


「へぇ、じゃあ、やる」


「へ!?」


ドアに寄りかかって、ちょっとだるそうに腕を組んでる私の好きな人がかっこいい!!!


「シェイドさま!」


「リハビリの時間だろ?」


はぁ~ほんとにかっこいいを毎日更新してくる。

完全に目がハートになってる私を苦笑しながら見るお顔までかっこいい!!!


「あ、でも隊服は今のままがいいです!」


「お前、本当に隊服好きだな」


「好きです!!」


「………………魔毒が抜けて来たようで俺は嬉しいよ」


私を縦抱っこで庭に運びながら合間に沢山キスをする。

霞草(かすみそう)が咲き誇る小道をとおって広い芝生の場所までくると、私をそっと下ろしてくれた。


リハビリの前に長い長いキスが送られる。

この腕の中に、ここに、ずっと居ると決めた。



番外編と後記につづきます!


評価していただけたら中の人がとびます!

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