第3話:新たな仲間とダンジョン挑戦! 予想外のトラブル発生!? (3)
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ダンジョン奥地:そして予想外のトラブル
ダンジョンを進むにつれて、瑠璃は魔力を少しずつ扱えるようになっていった。とはいえ、攻撃魔法は無理なので、石を蹴ったり、倒れた枝を使って敵を引きつけるぐらいが精いっぱいだった。
「私って本当に弱い…」
瑠璃がため息をついていると、突然、目の前に巨大な魔物が姿を現した。体長2メートルほどもある、まるで虎のような姿をした「ウィンド・ビースト」だった。
「エ、エルヴィン! あれ、初心者向けじゃなくない!?」
「わかってる!まずいな…これは俺だけじゃ厳しいかも…」
エルヴィンは焦りながらも、構えを崩さずウィンド・ビーストに向かい合った。しかし、相手の動きは俊敏で、一瞬の隙を突いてエルヴィンの前に迫る。
「やばい!」
瞬間、瑠璃はエルヴィンをかばうように前に飛び出した。ビーストの鋭い爪が迫りくるが、なんとか咄嗟に石を投げつけて相手の動きを一瞬だけ止めることに成功した。
「瑠璃、危ないよ!どうして前に出てきたんだよ!」
「いや…私が何もしないのも嫌だったから…」
そんなやり取りをする間もなく、ウィンド・ビーストが再び二人に襲いかかってくる。
「しょうがない、俺の最後の魔力を使う!」
エルヴィンが全力で魔力を放出し、強力な風の壁を作り出してウィンド・ビーストを押し返す。そして、すべての魔力を使い果たした彼は膝をつき、息を切らして倒れ込んだ。
「エルヴィン、大丈夫!?」
「へへ…少し休めばなんとかなるさ…」
しかし、瑠璃の不安は拭えなかった。二人とも魔力をほぼ使い果たしており、ここから無事に脱出できるかどうかも怪しい。だが、そのとき、瑠璃の手に光が集まるのを感じた。
「え、何…?私、何かできるの…?」
自分でも何が起きているのかわからなかったが、瑠璃の中で確かな力が湧き上がってきた。自然と手から小さな火花が飛び出し、ほんの少しだけウィンド・ビーストを怯ませることができた。
「う、嘘でしょ…私、火の魔法が…?」
瑠璃は自分の手を見つめ、驚愕する。わずかではあるが、確かに魔法を発動できたのだ。
「瑠璃…おまえ、意外とやるじゃん…」
エルヴィンも驚きの表情を浮かべている。しかし、これで決着がつくわけではなかった。ウィンド・ビーストは再び襲いかかろうとするが、二人は疲れ果てて立ち上がることができない。
「…終わったかな」
瑠璃が覚悟を決めかけたそのとき、突然、どこからともなく魔力の波動が響き渡り、ウィンド・ビーストがその場に崩れ落ちた。驚いて顔を上げると、ダンジョンの入り口にいた見知らぬ戦士たちが駆けつけてきていた。
「間一髪だったな。無事か?」
助けに来てくれた兵士たちにより、瑠璃とエルヴィンはなんとかダンジョンを脱出することができた。
エピローグ:小さな成長と新しい友
ダンジョンから戻った瑠璃は、わずかながらも火の魔法を発動できたことに大きな希望を感じていた。
「よし、これで一歩前進…したかな?」
「瑠璃、意外とやるじゃん。次も一緒にダンジョン行こうぜ!」
「いや、次はもっと慎重に行きましょうよ…」
こうして、新しい仲間と共に始まった瑠璃の修行生活は、少しずつ進展していく。七大属性をすべて扱える皇帝大魔導士を目指し、瑠璃の地道な成り上がり物語はまだまだ始まったばかりだった。
明日投稿予定!!