第1話:修行の始まり、雑魚ステータスの現実
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瑠璃は、さっそく初めての修行に挑むことになった。周りの者から「皇帝候補」として期待されているものの、現実は容赦ない。
「よし、今日は基本の魔力操作からやってみようか!」
教官の声に従い、瑠璃は両手を伸ばし、魔力を集中しようとした。
「うぅぅぅ…どうだっ!」
…しんとした空気の中、特に何も起こらない。
「…ん? 何も起きないぞ?」
「瑠璃、頑張ってみよう。少しでもいいから魔力を感じるんだ!」
教官が応援するが、瑠璃の魔力はあまりに微弱すぎて、手元で小さな火花が散る程度。周囲の見物人が失笑を漏らす。
「えぇぇ、私だけこんなに弱いの?」
「焦るな、瑠璃。ここから少しずつ強くなればいいさ」
「少しずつって…どれくらい少しずつなのよ!」
教官が説明する。雑魚ステータスの持ち主であっても、毎日地道に修行を続ければ、少しずつ魔力が増えると言う。
「つまり、一日1ポイントずつくらい…」
瑠璃は思わず絶望を感じた。
「それじゃいつになったら強くなれるのよ!?」
「まあ、希望を持って頑張るのだ。もしかしたら大器晩成型かもしれないからな」
「大器晩成って、そんな悠長な…!」
しかし瑠璃はやるしかなかった。覚悟を決め、魔道帝国での長い修行生活が幕を開ける。