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昔のおはなし

昔々、この世界には「魔法大国」と呼ばれる大きな大きな国がありました。

その国の人間たちはみな魔法に秀でているうえ、人口も多く、大変栄えていた国でした。

その国の存在の記述は、10年前からばったりと途絶えています。

古文書、魔法に関する本、人々の日記にすらよく出てくるくらいに有名な国で、誰も知らないものなどおりませんでした。

その魔法大国が、突然一夜にして荒地になったのであります。

死者は数えきれないほど多く、今でも復旧の余地すらありません。誰も近づこうとしないからです。

なぜたったの一夜であれほどの大国が滅びたのか。どんな手を使って滅ぼされたのか。

………そもそも、誰が滅ぼしたのか。

どれも、明らかになっていません。手がかりも証拠も、すべて土にかえってしまったからです。

それ以来、その国の存在を口にするものはだんだんと減っていき、今では禁句のようなものになり、「魔法の象徴」とうたわれていた土地は、今では「絶望の象徴」と呼ばれるほどにすたれています。

草は枯れ、木は腐り、動物たちは姿を消し、人間の足音や小鳥のさえずりさえも聞こえない静かな不気味さ。誰もが恐怖を抱く場所になってしまったのです。

噂では、当時6歳だった姫を妃様が逃がし、その姫様だけは国民で唯一生存しているんだとか。

もちろん真偽は定かではありません。たわごとの可能性も十分にありましょう。

もし本当にその姫が生きていたとしても、どこで何をしているのか誰にも検討すらつかないのです。

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