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耽美奇譚

嘘で満たす背徳感

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

愛のない恋愛です。R15です。

際どい描写があります。そして物凄く歪んでます。

僕と御付き合いをしている彼女は、僕の事が特段好きではない。手を繋ぐのも、口付けを交わすのも、情を交わすことさえ許してくれる。けれども特段好きではない。それは行動を見ていれば一目瞭然だった。

手を繋いだ後には除菌、口付けの後には口を拭う、情を交わした後にはトイレに篭って嘔吐を繰り返す。最早嫌われていると言っても過言ではない程に、彼女は僕の事を好いては居ない。

今日も全て終わった後に睦言を交わしていた。目はどす黒く濁って居た。今にもトイレに駆け込んで、吐瀉物を撒き散らしたいと叫んでいた。

「今日もとっても気持ち良かったよ」

「そう。それなら良かった……」

女は不快感を必死に誤魔化した様に、口角を上げた。でも体は正直で、距離を取りたいと、さり気なく後退りする。それを拒む様に引き寄せて、すっぽりと抱き込んだ。女特有の、甘い香りがする。快不快さえ曖昧になる程に、脳を麻痺させてくる。それでも限界が来たのだろう。突然僕の胸を押し退けると、トイレに駆け込んで行った。恐らく、昨夜の行為を掻き消す、吐き戻しを行う為。

その事に堪らない快感と、背徳感を覚える。昨夜の交わりなんて、今の彼女と比べれば些細なものだ。今が一番気持ちいい。


私は彼と別れた後、自宅に帰って着替えを行う。彼の匂いを少しも纏いたくない。気持ち悪い。さっさと削ぎ落としたい。そうして彼の残骸を全て捨て去った後、友人に会った。彼女は顔を近付けて鼻を鳴らすと、怪訝な顔を一つ。

「アンタ、なんで好きでもない奴の前で必死に演技して、付き合い続けてんの?」

確かに、一般的に見れば異常な行動だろう。好きでもない奴と交際を続け、情まで交わすなんて。増してや、政略結婚でもない。特段顔がいい訳でもない。離れようと思えば何時でも離れられる。理由が知りたいと友人は首を傾げた。

「好きでもない人と延々と付き合うとね、背徳感が満たしてくれるの。それが堪らなく気持ちいいの」

自分に嘘を付くのが気持ちいい。情を交わした後にトイレに駆け込むのが気持ちいい。全てを忘れて吐き戻すのが気持ちいい。背徳感が体を満たして、善悪の基準さえ曖昧になる程に脳が麻痺する。それこそが私達にとって、真の情の交わし方だった。

「知ってる? 嘘を付くのって堪らなく気持ちいいんだよ?」

基本的に二人とも性格が歪んでいる。


彼氏は加虐的だし、彼女は被虐的。

嫌がるのを見て彼氏さんは楽しんでいるし、彼女はその気持ちの悪さを受け取って快楽に耽っている。

そうじゃなかったら、多分別れていると思います。


所々で似たようなセリフ言ってますしね。

相性は悪くない。だから嫌悪感塗れでも付き合っている。


嫌いな相手に媚びを売らなきゃいけないんですよ。

それは人間誰しも、子供の頃から培われているのではないかと。

そして、そんな自分を愛さなきゃ、やってけない事だってあるんです。

そんな話ですね。

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