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第22話 かしこさ

 ぽんっ、ぽんっ、ぽんっ。


 英雄辞典が燃えたかと思った。なんて人騒がせな字の書き方、……何の音?

 なんか……見たこともない子犬? がぼくの足にすり寄り、見たこともない小鳥? がぼくの肩に止まり、見たことないお猿さん? がぼくの前で頭を垂れるんだけど?


「なんなん?」


 どっから来たんだろ? あれ? 変だな……檻の中が空っぽだ。


『《従魔》の名前が浮かんでいるだろ? 指ちょんしてみるといい』


 ちょんした。


 ――――――――――――――――――――


 名前:さび丸

 性別:オス

 種族:コボルト

 クラス:侍大将→足軽

 レベル:55→15


【ちから】  :88→21

【たいりょく】:78→13

【すばやさ】 :89→15

【かしこさ】 :55→3

【きようさ】 :67→8

【まりょく】 :34→1

【うんめい】 :38→7


【さいだいHP】  :238→45

【さいだいスタミナ】:233→23

【さいだいMP】  :89→15


 ――――――――――――――――――――


「おおおおっ! 凄いステータス……だった?!」


 あまりにあまりのことにソフィ様と英雄辞典を交互に見てしまった。


「凄い! 下がってる! レベル!」


『言い方が、アンゴルモアトロール……ざおーだったか? と同じになってるぞ』


「なぜ?!」


『従魔のレベルは主であるお前のレベルと同じになるからだ。レベルダウンに伴い、その姿もレベル相応の姿に変わる。その足下の犬ころのようにな』


 まっ、まままま……まさか! 

 このぼくの足下に頬をすり寄せて「くぅーん、くぅーん」鳴いている可愛い奴って、


「これがサムライコボルト?! ただの子犬じゃん!!」


「子犬違う。豆柴。これでも成犬」


 シルキーとお姉さんたちがきゃっきゃ言いながら、さび丸の頭をなで回す。

 豆柴って種類なのかどうかはさておき、子犬みたいなのにこれで成犬って……。


「従魔と言うよりただのペットじゃん!」


 ということは……この七色の羽根の小鳥がちゅるるで、この子供の背丈ほどのお猿さんがざおー? さび丸もだけど、元の面影が……あるにはあるけど、まったくの別物だ!?


 ステータスも案の定、随分と下がっている。


 ちゅるるは【すばやさ】でぼくを上回っているけど、【ちから】【たいりょく】【きようさ】が一桁。他はぎりぎり二桁。【かしこさ】が「10」あるのが気休めの救いか。


 ざおーは【たいりょく】でぼくを凌駕して、他の数値は「10」前後。【まりょく】が「1」で、意外なことに【かしこさ】が「15」と高い。……あ、あれ? ぼくより高い?


 ――いやいやいやいや、そんな馬鹿なっ!


 慌てて英雄辞典のぼくのページを見ようとして、


『そこで《真価を示せ!》の出番って訳だ』


「え? あ、え? え?」


『どうした? 早く《真価を示せ!》の項を開くといい』


 それどころじゃないんだけど……まあいいや!

 指ちょんしてみた。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 《真価を示せ!》


 説明:

 凡百ではいられない。彼女を守るため、野生を解き放ち、いま一度、在りし姿に戻るのだ。それでも足りぬのなら己の肉体を捧げるがいい。爪は槍、牙は剣、そして肉体はただの盾。彼女に役立つために、生き、死ね。彼女のため、毛の一本とて無駄にするなかれ。


 効果:従魔のレベルを元に戻す。


   ★:本来の数値に戻す。効果時間3分、再使用時間5分、3回/日

  ☆★:本来より高い数値で戻す。効果時間1分、再使用時間10分、2回/日

 ☆☆★:本来よりもっと高い数値で戻す。効果時間30秒、1回/日


 ――――――――――――――――――――――――――――――


「なるほど……」


『効果時間は短いからここぞというときに使うといい』


「そうします」


 ぼくの【かしこさ】は~、ぐあっ! 「11」……「11」って!

 ぼく、ざおー以下?!

 ちなみに【かいこさ】の数値が何を意味するかというと戦闘における判断全般の善し悪し。ある戦闘における最適解を瞬時に見抜いて実行するなどの能力を表しているのだ。

 決して日常生活における頭の出来の善し悪しが数値化されたわけではない。あしからず。


『説明は以上だ。何か質問はあるかね?』


 質問、質問……あ、そうだ。


「《真価を示せ!》って1回に1匹だけですか~?」


『回数分は同時に何匹でも使えるが、従魔の戦果は「実績」に数えられないのでお勧めしない。つまり従魔の力で強敵を倒しても君には銅貨一枚にもならんということだ。命は繋がるがね。繰り返すが、ここぞというときに1匹ずつ使うのを推奨するよ』


「わかりました~」


『ではな。また何かあったら呼んでくれ』


 そう言うとソフィ様はかき消えた。


「んじゃ、行きましょうか――」


 みんなを振り返る。

 シルキーとお姉さんたちは腹を見せて転げ回るさび丸をなで回し、ニッケルトンさんは退屈そうにタバコを吹かしている。ちゅるるはぼくの肩にとまって自慢の羽根を羽繕い。

 あれ? ざおーは……いた。

 レッドキャプの死体を漁って……何してるんだろ? 死体漁り?

 ぼくの視線に気づき、ざおーがひょこひょこと戻ってくる。

 その手には短斧、頭にはレッドキャップの帽子、鎧なんかも着ている。

 こ、これは……戦支度?!

 準備を欠かさないなんてなんてしっかりとしたお猿さんだ!

 さすが【かしこさ】の数値「15」。

 た、頼もしい……けど、なんかちょっと悔しい!!


「うほぉ?」


「すぐにレベルアップして追い抜いてやんよ!」


 従魔のお猿さんに敵意むき出しのぼくだった。

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