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第20話 ダンジョンについて

『ぼくが出てきたのは、もちろん主殿がぼくの開放条件を満たしたからさ』


「開放条件?」


 シルキーに視線が集まる。

 シルキーはこふぉん、と咳払いをひとつ。


「パンパカパ~ン♪ フィルは魔物学者ソフィの開放条件【魔物と意思疎通をする】を達成しました~、おめでと~♪ 魔物学者ソフィが開放されました~」


「【魔物と意思疎通をする】って……ぼくが? いつ?」


『コボルトが「助けて」と言っているのを聞き入れたじゃないか? これは凄いことなんだぞ? 狙っていもいないの達成したんだから君は大したもの! 褒めてあげるよ!』


「それって……そこら辺のゴブリンを半殺しにして見逃しても達成できるんじゃ……」


『ゴブリンは命乞いなんてしないから無理だよ。ついでにいうとコボルトもしない。とくにサムライコボルトはね。この特殊な状況だから達成できたとっても過言ではない』


「特殊な、状況……ですか?」


 なんこっちゃ、と首を傾げる。


『君はおかしいと思わなかったのかい?』


「なにがですか?」


『逆に質問だ――なぜ、彼らが捕らわれているんだい? 同じ魔物なのに……厳密には魔族だけど、彼ら3匹だけ檻に入れられているんだ。不思議に思わなかったかい?』


 言われてみれば、確かに……というか考えもしなかった。

 檻に入っていてラッキー、くらいにしか。


『彼らが供物なんだよ。君たちが言ったような高級素材となる彼らは高次エネルギーの塊でもあるからね』


 ……供物? ……高次エネルギー? いきなり何の話?


「すみません、ちょっと話が呑み込めないんですけど……供物って? 誰の?」


 ぼくの素朴な疑問に、ソフィ様はきょとーんとした。


『誰って……ダンジョンに決まっているじゃないか!』


「ダンジョン!? ダンジョンって飲み食いするの?!」


『当たり前だろ? やつらだって生き物なんだ――生体を維持するために、成長するためにもエネルギーは必要さ! そのための彼らさ!』


「んな、阿呆な……」


 にわかに、というかまったく信じられない。

 あたりを見渡そうと生物らしい特徴なんて何一つないのだ。

 あるのは天然自然の洞窟にしか見えない岩肌だけだ。

 湿気で濡れていようと、ヌルヌルもヌメヌメもしていない。


『ああ、そうか……生物と言っても有機物とは限らないからね? むしろ有機物を生体としたダンジョンの方が珍しいくらいだ。多くは無機質で、中には精霊質のものもいる』


「は、はぁ……」


 う、う~ん……よくわからん。

 有機物はヒトの血肉みたいなやつで、無機物は鉄とか岩、精霊質は水とか火とかの物質じゃないやつ……だっけ? つまりこのダンジョンの生体は無機質ってこと?


「んじゃ、こいつらっていったい……」


 こいつら、とはゴブリンとかオークとかの魔物のことだ。

 ダンジョンが生き物なら、ダンジョンを住処にしているこいつらは何なんだろう?

 と疑問に思ったのだ。


『簡単に言ってしまえば、このダンジョンを住処にしている原住民さ。先祖代々ここを住処にして、このダンジョンを地母神のように崇め奉る、ね。そして、君たちは彼らにとって聖地に土足で足を踏み入れた忌むべき侵入者、蛮族ってところだ』


「まるでぼくらが悪いみたいに聞こえるんですけど……」


『良くはないだろう? 彼らにとって何一つ幸運なことをもたらさないのだから』


「なるほど、確かに……」


『まあ君とは長い付き合いになりそうだから暇があったら教授してあげよう。そんなことより今は彼らのことだ。君はぼくの開放条件を満たしたこともだけど凄く運が良い』


「は、はぁ……」


 いきなり難しいことを言われたので、頭が茹で上がりそうだ。


『彼らを従僕にしたまえ……正確には、從魔にだがね』



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