1.やさぐれ聖女のやさぐれた日常。
死んだ魚の目をした女がどろりとした視線を投げつけるようにして、上から見下ろしてくる。
「あんた死にたいの? 殺してあげようか?」
ふとももに負った傷が止まらず、どくどくと血が溢れてている冒険者の若者は、泣きそうな顔になりながらも懸命に首を横に振った。
「死に、死にたくない……!」
震える唇を噛みしめるようにして、どうにかそう言葉を口にする。
「そう? ならあんたのそのご自慢の剣、あたしにちょうだいな。」
元は白かったであろう薄汚れた泥だらけの神官服に身を包んだ女は、さも興味のなさそうな目で、地面に転がった魔剣を顎で指し示す。
冒険者の若者は僅かな間、逡巡した。この剣を手に入れるために1年間、コツコツとお金を貯めてきた。そうして手に入れた魔剣は素晴らしい切れ味で、いつもより先へ進めると過信した若者は、身の程をわきまえず一つ下の階層へと挑み、そうして今致命傷を負い無残にも死にさらばえようとしている。
せめてもの慰みは、自らが囮となったことで仲間たちを下の階層へと逃がす時間稼ぎが出来た事くらいか。
俺の人生はここで終わりか。齢22歳、これはこれでそれなりに満足な人生だったか。
それでも若者は考えた。嫌だ! まだ死にたくはない!
だがその引き換えが手に入れたばかりのこの美しい魔剣だとは……。
「どうするの? 君。その魔法剣。あたしにくれるの? くれないの?」
女が急かすように訊ねてくる。
数年前からどこからともなく迷宮に入り浸るようになった正体不明の辻ヒーラー。聖王の庇護にない闇ヒーラーの女の手を借りた事がバレれば二度と教会で正規の治療は受けられなくなるが、それでもこの女の助けを得たいと密かに願うものは多いという。
やさぐれた身なりと裏腹に、この女の実力は『聖女』と称されても遜色がないほどの強力なものだともっぱらの噂だった。
若者は首をこくりと縦に振る。
「け、剣はあんたにやる。だから、た、助けてくれ。」
次の瞬間、今まで味わったこともない清浄なる光が若者の全身を包み込んだ。
無詠唱! だがこの力強い輝きはどうしたことだ!
若者は驚きに目を見開いた。見る見る間に足の痛みが消え、それだけではなく失われたはずの血ですら増えていっているような感触すらある。
更には、若いころの無茶が祟ってうまく動かなくなっていた左腕の引きつりも、こわばりが溶けるように消え去ろうとしているように感じる。手足が驚くほど軽く感じられ、気が付けば若者は自らの足で立ち上がっていた。
とてつもない効果をもつ第一級の魔法を目の当たりにした若者は、あまりの変化に驚きばかりが先に立ち、自分が助かったことすら信じられない思いであった。
「じゃあこの剣はあたしのものね。あーでもこのあたりのバケモノが襲ってきたらちょっとヤバいから、一時的にあんたに預けてあげる。
上層階まで一緒に帰るわよ。その間あんたがあたしの護衛をなさい。」
どこか夢見心地で自らの両手を握ったり開いたりしていた若者は、女の一言に訳もなく頷くと、渡された魔剣を片手に、彼女の後ろをついて行った。
女がすたこらと歩を進める後ろで、若者は更なる奇跡を目の当たりにし愕然となる。
先ほどまであれほど騒がしかった帝国ローザリア領の餓狼迷宮27階層が、恐るべき静けさと共にいっさいの敵を呼び寄せない。
死を賭して挑むべき凶悪なダンジョンの下層域が、まるで女の周囲だけはそこらの農村にどこにでもあるような貯蔵用の洞穴であるかの安穏さで優しく出迎えてくれる。
高位の聖職者には『聖域』と呼ばれるパッシブアビリティが働き、自然と悪意あるバケモノを遠ざける能力を持つという噂を若者は耳にしたことがある。
目の前を軽い足取りて歩くぼさぼさ頭の女が先に見た実力通りの腕の持ち主であれば、それくらいの能力は自然と備えているようにも思える。
だが目の前の女は破戒僧だ。教会を破門され、本来であれば信仰を失うとともにその力は損なわれているはずなのだ。
それなのに未だに聖なる力を行使できる闇ヒーラーの恐るべき実力に、若者は混乱し、考えがまとまらない。
そうこうしているうちにあっという間に階層を3つほど上がり、安全地帯と呼ばれるボス部屋脇の小ホールにまで辿りついたところで、嬉しい面々が若者を出迎えた。
「あっ!」一人の可愛らしい娘が声を上げる。「無事だったのね! ジャン!」そして若者の隣に立つやさぐれた女を目にし、途端にその表情が怪訝なものになる。
「誰?」不審な声を隠しもせずに娘が声を掛けるも、女は取り合わず若者に向かって語り掛ける。
「お仲間さん?」
「あ、ああ。」若者が肯定の意を表すと、「そう? それは良かった。」と女はそっけなくそう言ってのける。
意味が分からず首を傾げる若者に対し、女はこう続ける。
「もしかしたら君が生きて戻ってくるかもしれないなんて一縷の望みにかけて、わざわざ待っていてくれたなんて、素敵なお友達だね。良かったね。」
「あ、ああ。」若者は首を縦に振るくらいしかすることがない。
すると女がすっと手を差し伸べてきた。
事情が呑み込めず混乱する若者に、女は言葉を続ける。
「剣。あたしにくれる約束だったでしょ?」
「あ、ああ。」若者はそう返事をしつつも、やはり状況が分からずにその場で固まってしまう。
女は少しイラついた口調に変わる。
「お仲間さんがいれば地表までは剣なしでも戻れるでしょ? その剣はもうあたしのものなんだから返してちょうだい。」
「あ、ああ。」若者はようやっと考えが纏まり、腰に佩いた剣を鞘を釣るベルトごと取り外し、女に手渡す。
「ちょっと!」若者の仲間と思しき娘が食って掛かってくる。
「その剣はパーティみんなのお金を出し合って買った、ジャンの大切な……!」
だが娘が言い終わる前に、女は鋭く言い放つ。
「文句があんなら別にいいけど、そん時は次にテメーらが死にかかってもぜってー助けねぇぞ。
大して強くもねぇのにちょっといい剣買ったからって深層に来やがって。テメーらには早すぎたんだよ。あたしが通りかからなきゃこいつ死んでたぞ。文句があんなら二度と助けねーぞ。」
呪詛のように言葉をまき散らしながら、死んだ魚のような濁った眼でどろりと娘を覗き込む女。
「な……!」声にならない声を上げる娘。
なおも言い寄ろうとする女との間に割って入るようにして、若者が声を上げる。
「あんたの言う通りだ! オレたちには早すぎた! その剣はあんたのもんだ! オレたちが悪かったから、どうかその剣は持ってってくれ! ここまでの護衛も助かった! けどもうオレは大丈夫だから、あんたはその剣持って先に行ってくれ!」
女はその言葉に態度を変え、「そう? ならそうさせてもらうわ。」などと捨て台詞にも似た一言を残し、魔剣を抱えてふらりとその場から掻き消えるように立ち去った。
「なんなの! あいつ、なんなの!」怒り心頭の娘をなだめる若者。
「助けてもらった恩人を悪く言わないでくれ。あの人の言う通りだったんだ。オレには過ぎた得物だった。深層はまだオレには早かった。
責めるならオレを責めてくれ。」
納得が行かない様子の娘がそれでもひとまずは落ち着いた様子を見計らうかのように、斥候職の男がぽつりと一言、つぶやいた。
「アレが噂の『はぐれ聖女』か。噂以上の女だったな。」
若者を始めとする仲間たちはみなが無言のまま一様に頷いた。
「ふざけんなぁっ! あんだけ高そうな魔法剣が銀貨5枚ってどういうことじゃぁっ!」
やさぐれ聖女は行きつけの酒場の端っこで、安酒をあおりながら一人怒声を上げていた。だが周りのものが特に注意することはない。
「ふざけんなぁっ! こっちが正規ルートで取引できないからって人の足元見やがって、ふざけんなぁっ!」
所詮は酔っ払いのたわ言。誰も相手にしようとも思わない。だいたいこのやさぐれ聖女はしょっちゅう酒におぼれては喚き散らしているのだ。
いつものことだとみなが見向きもせずにめいめいの酒を楽しんでいる。
だがそんなやさぐれ聖女のもとに一人だけ近づく男があった。
仕立てのいいリネンのシャツを崩して着こなす、すらりとした長身の年かさのいった優男。年のころは40を過ぎた中年であったが、不思議な色香と独特の凄みがあり、見るものの目を惹きつけてやまない魅力を感じさせる。
だが酒場はシンっと静まり返った。みなはこの男がなにものか知っている。カーデルの街の影の支配者。ノージィ・ファミリーのボス。この中年優男はヤクザの親分なんである。
音を失った酒場の一角で、やさぐれ聖女の罵声だけが鳴り響く。
「ちくしょうっ! どいつもこいつもバカにしやがってぇっ!」
そんな聖女の向かいにどっかりと腰を下ろしたヤクザの親分。
「あ゛あ゛あ゛っ!?」目の座ったやさぐれ聖女はヤクザの親分に唸り声で敵意を表す。
親分は気にした様子もなく聖女に一瞥をくれると、先ずは遠巻きに見守る店のものを呼び寄せ、「全員に一杯奢ってやってくれ」と周りに聞こえるように声を掛けつつも小銀貨を数枚握らせる。
ぱっと弾けるように動き出す若い店員。それから程なく店にいる一人ひとりにエールが入ったジョッキが配られるにつれ、店はぎこちないながらもいつもの活気を取り戻してゆく。
――酒を奢るからこっちに構わずいつも通りにやれ――
ヤクザの親分の暗黙のメッセージを皆が受け取ったのだ。
このあたりはダウンタウンに住まうはみ出し者たちの共通の常識なのだ。ヤクザ者が堅気の店で飲むときのお互いの距離感というやつだ。
だが、そういった常識すらもろくに知らない女が目の前に一人。やさぐれ聖女は数年前までは本物の聖女だったので世情に疎い。
「あたしの分も奢ってもらえるんでしょうねぇ?」どろんとした目つきで下から睨めつけるように親分に絡んでゆく。
「オメーに飲ます酒はねぇよ。」親分も上から睨みつける。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?」ガラの悪い声を上げる聖女を前に、親分は身を乗り出すようにして顔を近づけると「真面目な話があんだよ。クダまいてねぇでシラフに戻れ」とドスを利かせる。
聖女は少しの間だけもごもごと不満げに口を動かすも、思い直したかブツブツと聖句をいくつか口にし、彼女の周りを清廉な空気が吹き抜けたかと思うと次の瞬間にはしゃきっとした姿になる。相変わらず目つきはどろんとしたままだがこれはいつもの彼女の表情なのでそこは変わらない。
まったくたまったもんじゃねぇな。
ヤクザの親分は唸り声を上げたくなるのを必死にこらえる。
この女は本物の聖女なのだ。だから解毒の奇跡だって正規の手順を踏まずに簡単な聖句の二言三言で実現させてしまう。
そして強力な聖女の力を、自らの酔いを覚ます為だけに平然と使うのだ。普通はこんなやり口、神が許さない。
だがこの女は女神に溺愛されているから、貴重なはずの奇跡を出鱈目な目的に使う聖女のために神は喜んで力を貸すのだ。
まったくたまったもんじゃねぇよ。
そんなヤクザの心も知らず、すっかり酒の抜けた様子の聖女は「真面目な話ってなに?」とぶっきらぼうな口調で訊ねてくる。
ヤクザの親分はうんざりした気持ちを押さえつつ、ともかく続きの話を始める。
「おめーが商会に持ち込んだ魔剣が問題になってんだ。あんなもん売りつけようとすんな。本来なら銀貨5枚でも買い取らねーシロモノなんだよ。」
「はあっ!?」世間知らずの聖女が声を上げる。
親分はそんな聖女に世の中の仕組みというやつを懇切丁寧に説明してやる。
「いいか? クソ聖女。そもそも魔剣ってのは一本一本に銘が刻まれて、魔具協会の元でいつどこで誰が所有しているかの記録が残るもんなんだよ。
そして譲渡や売買の際は全部魔具教会を通さなきゃいけねえ決まりなんだよ。ちなみにバックには貴族や国がついてるからな。
所有者が迷宮で亡くなった場合も、魔剣を拾ったものはいきなり所有権を主張できない。取得者は冒険者ギルドなり魔術師協会なり学院なり、それぞれが所属する団体に届け出を出して、そこから魔具教会に照会が入って取り扱いが決まるんだよ!
拾ったもんがそのまま自分のものには出来ねーんだ!
魔具教会に供託金を納めて所有権の変更を願い出るしかないんだ。
そんなひも付きの武器、闇商が取り扱えるわけねーだろ! 本来買い取らねーところをこのオレ様の愛人枠で特別に引き取ってくれたんだよ!」
最後の一言にやさぐれ聖女は噛みついた。
「あたしはあんたの愛人じゃないっ!」
ヤクザの親分は「はあーっ」と大きくため息をつく。
「んなこたぁ分かってる。けど世間じゃそう見られてるからテメェは色々知らねぇところで便宜を図ってもらってるんだよ。
そういう恩恵のもとでオメーはこの街で暮らせていけてるんだから、ちったあオレのいう事も聞くようにしやがれ!」
「はあーっ」とお返しのように大きなため息を吐く聖女。
「あたしはあんたにそんな事頼んでない。ヘンにヤクザとつるんでるって思われたらそれだけでまっとうな生活できなくなる。」
ヤクザの親分はこれを一笑に付した。
「ハッ! 聖女なら大人しく教会に飼われとけや。それが嫌で飛び出したんなら神の奇跡に頼るような金稼ぎはやめろや。お針子でも小間使いでも、手に職つけてまっとうに稼げや。
それも出来ねぇならヤクザの紐付きでもなんでも受け入れるしかねぇだろ。
それともおめぇ、今さらこの街出ていくか?
おめぇ、自分でも分かってると思うが世の中の仕組み知らなすぎだぞ。この街で食えていけてるのも迷宮都市がならず者や変人に優しい特異性あってのことだかんな?
野垂れ死んでもいいなら止めやしねえが、少しでも生きたいと思うならもちっと頭使えな?」
これを聞いたやさぐれ聖女は力なく首を横に数回振った。
「こんなはずじゃなかったのに。あたしはもっとうまくやれたはずなのに。」
ヤクザの親分は、そんな聖女の前にどさりと重みのある小袋を置いてやる。口ひもが解け中身が見えかかっているそれは、金貨らしきものが顔を覗かせている。
「この俺が特別に金を出してやるよ。俺なら捌く伝手も使い道もあるからな。今後も曰く付きのブツは俺んとこに持ってきな。悪りぃようにはしねぇからよ。」
聖女は力なく笑って、目の前に置かれた袋をヤクザの前に押し返した。
「あんたの施しは受けない。そこはかとなく助けてもらってる点には感謝するし、その分の借りはちゃんとどこかで返す。けど直接的な施しはいらない。あんたに直接借りは作りたくない。」
ヤクザのオッサンは残念そうな顔になってジト目で聖女を見返してくる。
「オメー、そういうとこがうまくいかねぇ大元じゃねぇか。ちったあ要領よく周りを使えよ。
それこそ俺なんざぁオメーにベタ惚れしてんだから、生足の一つでもちらつかせて可愛らしくおねだりしてみろよ。喜んでいくらでも金払ってやんぜ。」
聖女はそんな中年男に向かって舌を出し、おえーっと吐くようなそぶりをして見せる。
「そんな事したらあんたの愛人まっしぐらじゃねーか。あたしは誰かに媚び売って生きるなんて死んでもゴメンなんだ。自分の力で生きていきたいんだ。そういう女がお望みなら他を当たってよ。」
ヤクザの親分はやれやれと肩をすくめる。
「そういう女じゃねぇからオレはおめーに惚れてるんだけどな。けどまあその話は今はいいや。
ともかく魔法剣なんてヤバいブツを闇商に持ち込むようなまねは二度としないでくれ。魔具協会を敵に回したら命がいくつあっても足りん。頼むわ。」
聖女は「アホらし」と吐き捨てる。
「貴族だか国だかの既得権益じゃねーか。」
そんな聖女に向かって親分は「バーカ」と返す。
「一つの物事に理由が一つとは限らねぇ。確かに魔具は既得権益の巣窟じゃああるが、それでもその仕組みには一定の価値があるんだ。
その昔、魔剣の所有権を巡って人が死に過ぎたんだ。いい武器には強い剣士が群がって、お互いに殺し合いを始めるんだ。
強力な戦士は国の財産だぞ。それが勝手に死なれちゃ国力に関わるんだよ。それでむやみに奪い合わない決まり事が生まれたんだ。
魔具協会にはちゃんと抑止力があるんだよ。
この世界だってちゃんと法治国家だぞ。おめーの前世がニホン人だったからといって、この世界をヘンな色眼鏡使って蛮族なんかと決めつけるな。
ちゃんと決まりがあるんだから、そこは諦めて受け入れろ。
な?」
「やってらんね。」聖女は机の上に突っ伏した。それから片腕だけをひょいっと軽く持ち上げて、平手でシッシと追い払うふりをする。
「やれやれ」と一人ごちたヤクザはおもむろに立ち上がると、金貨の入った袋を懐に回収しつつも、「じゃあまあそういうことだ。邪魔したな。」と手をひらひらさせながらもその場を去っていった。
しばらくしてゆっくりと顔を上げた聖女は、ヤクザがいなくなったことを用心深く確認する。先ほどまでの喧騒を取り戻した酒場には、奴の放つ独特の腐ったオーラは影も形も見当たらない。
ホッと顔をほころばせつつ、さて聖女はどうしようかと少しばかり考えを巡らせる。
目論見は外れたけれども銀貨5枚はそれなりに大金だ。数週間は何もせずとも暮らして行ける。結果としてはそう悪い状況でもないと思い至り、なんだか気分がよくなってくる。
酒はすっかり抜けてしまったから、今さら酔うのも煩わしい。聖女は「よしっ」と席を立ち、敷居をまたいでそのまま店を出る。
すっかり夜も更けた迷宮都市の場末の酒場の外はそれなりに人通りも少なくなり、見上げる夜空を星々がキラキラと輝いていた。
なんだか楽しくなってきたやさぐれ聖女は、鼻歌交じりにぶらりと足を踏み出した。
こんな風にしてやさぐれ聖女はやさぐれつつも、迷宮都市で今日も一人生きている。
聖女を助ける騎士様も王子様もいないけれど、ヤクザの親分がいろいろ良くしてくれて、それなりになんとか楽しく生きている。
こんな生活そう長くは続かないとは知りつつも、惰性でとりあえず今日も生きている。
そんなやさぐれ聖女の、これが毎日のうちのある一コマである。
本作品から実験的に頭にスペースを加えてみることにしました。
冒頭のスペースは縦書き活字組み文化の流れで、なろうみたいな横書き文化だと不要ではないかと個人的に考えていたのですが、まあそれでも空いてた方が見やすく感じる人もいるかなあとちょっと思いまして。
めんどくさくなったら止めると思います。
後から追記や削除する場合、段落頭にスペースみたいな余計な加工があると修正がめんどくさいんすよね。