運命の出会い 5
=====レティシア視点=====
ボクは階段のてっぺんから、そっと飛び降りた。靴と階段が重なり”カタッ”と音を立てる。
「―ふう!ついた…!!ていうか、めっちゃ広い食堂だね。」
「そうですね。」
まだ夕方なので、あまり混んでいない。そのせいか、この食堂が余計に広く見える。
「わあぁ、どれも美味しそう!」
ソフィアさんは真っ先にメニュー表を開いた。…よほどお腹が空いていたのだろう。
「うーん。注文はどうしましょうか…」
ボクは、ソフィアさんが持っているメニュー表にちらりと視線を向けて、言った。
「じゃあ、赤ワインとパスタで。」
「あ、あかわいん!?アルコール平気ですか、お客様!?」
「いえ、いっつも飲んでいるので平気です。」
まあ、まだ未成年だけど。
「じゃ、あたしはオレンジジュースとオムライスで!」
「はい、かしこまりました。」
注文を終えたボクたちは、一番眺めの良い窓際の席に着いた。
窓から見える夕日が、テーブルをオレンジに染める。その何とも美しい景色に、ボクの目は釘付けになった。
―しばらくすると、料理が運ばれてきた。
ボクは赤ワインを光にあて、見た目を楽しんだ。ソフィアさんはとても美味しそうにオムライスを食べている。
「ソフィアさんは、どうしてボクを誘って下さったのでしょうか。」
「え?…一人ぼっちが寂しいのと、あと…一緒に冒険したいって思ったから!」
「…ボクのこと、怖くないのですね。」
ボクは小さな声で言った。
「どこが?」
「ボクの、この…紅い目は…怖くないのですか?」
どうなのだろうと聞いてみた。すると、
「全然!!!そのルビーみたいな目、綺麗だと思うよ。」
初めて、家族じゃない人にそう言ってもらえたかもしれない。
ソフィアさんの、その青く深い瞳も、ボクはさっきよりもずっとずっとキラキラして見えた。
「…ありがとうございます。」
―ボクたちはご飯を食べ終えて、部屋に戻った。
=====ソフィア視点=====
―ふぁあ!オムライス美味しかった!!
「あ、もうこんな時間だ!寝なくちゃ!」
「…え?もう寝るんですか?」
早い?そ、そうかなぁ。もう九時だよ?普通、寝る時間でしょ!
うー、睡魔が襲ってくる―…
「…うん。じゃあ、あたしは寝るね。」
ベットは、ふわふわで温かかった。
「おやすみ、レティ…ちゃん……」
今日はゆっくり寝よう。
明日から、新たな冒険が始まるのだから―