運命の出会い 3
=====ソフィア視点=====
レティ・ドールちゃん、か。あたしとは違って、どことなくクールで気品があるし、振舞い方がお嬢様みたい…
「あ、そうだ。レティちゃん。どうして同じ部屋に二人の予約が重なってるのか、受付の人に聞きに行こう!」
「そうですね。では、行きましょうか。」
―そうして、あたしとレティちゃんは長い廊下を全速力で走り、受付へたどり着いた。
「あっ…、あの…、なんかっ…おんなじ部屋にっ、二人の予約が…重なってるんですけど、(ゼェ、ゼエ…)…一体どういう…こと、ですか?(はぁっ、はぁっ…)」
息切れが混じった声で、今の状況を一生懸命受付の人に説明した。―今更だが、別に全速力で走らなくても良かった気がする。時間に追われてるわけじゃないし、息切れするくらいなら、ゆっくり歩いて来た方が絶対良かった…。
「ん?あ、あれ?おっかしいな…僕は滅多にこんな事しないはずなのにっ!」
―何だか…受付の人の様子がおかしい。
「つまりそれは、…ただのミスでしょうか?」
レティちゃんは、息切れもせず冷静につぶやいた。
「はい、ミスです。すみません、本当に申し訳ございませんでした!どうかお許しくださいませ!僕が気を緩めていたせいで、大事な大事なお客様にこんなにご迷惑をおかけしてしまいました!反省しております!!せっかくホテルの予約をしてくださったのに、こんな嫌な思いを…(以下略)」
受付の人は、とんでもない早口言葉で謝罪をして、勢いよく土下座をしてきた。
「いや、そこまでしなくても…」
「でも、ここまでしないと、僕の評判とこのホテルの評価が…コ、コホン。い、いえ、えっと、いや、その…お客様に迷惑をかけた罪は重いので…」
心の声が半分以上漏れてる。が、そんなことは無視して、レティちゃんは首を傾げた。(いや、早口言葉で土下座なんてしたら、逆にドン引きされるのでは⁉)
「うーん。本当なら他のホテルの予約を取りたい…のですが。今からではどのホテルも予約がいっぱいでしょうね。」
まあ、確かにね。もう5時過ぎてるし、仮に部屋が空いてるホテルがあったとしても、今から行くのは面倒くさい。
「なので、今夜はソフィア様と同じ部屋で過ごすことにしましょう。ということで、改めてよろしくお願いします。」
「うん!こちらこそよろしくね、レティちゃん!」
みなさんGWいかがお過ごしでしょうか。お家で小説読むのも良いですよね。
今回は、レティシアちゃんの挿絵を公開しました。