運命の出会い 2
=====ソフィア視点=====
―あれ?このダンジョン、もしかして、雑魚のドラゴンしかいない…?
「うわああ、うそでしょおっ!ここ、ドラゴン地獄じゃん!」
くうっ…ちょっと遠い、洞窟のダンジョンに行っとけばよかった…!そんな後悔が、今更こみ上げてくる。まあ、今更洞窟に行く時間はないだろう。仕方ない。まずは、試しに一匹倒してみよう!
「えいっっ!!」
あれぇ?…ドラゴンって、一発で倒せるんですねえ!幼い頃は五発でやっと倒せたレベルだったけど、今や一撃で倒せるようになるなんて!随分と成長したなぁ、あたし。
「げっ、もう5時じゃん!早くホテルに行かないと!(もうこんな時間なんだ…)」
結局、今日の経験値の収穫は7だった。って、少ないにもほどがあるでしょ…!とほほ…。まあ、悪いのはダンジョンだからね!うん。雑魚しかいなかったから、経験値がすくないのは仕方ないもん!アー、でも、さすがにもうちょっと経験値が欲しかったかなぁ。でもまあ、ラッキーセブンだからいっか。
―と、どうこう思っているうちに、ホテルに到着した。
「あ、お部屋を予約されていたお方でしょうか?」
「はい!」
「えーっと…ああ。では、1階にある、一番奥の103のお部屋にどうぞ。」
あたしは、鍵を受け取って、部屋へ急いだ。ああ、わっくわくする!楽しみで楽しみで仕方ない。夕食は何かなぁ?部屋はどんな感じなんだろうか…?未知なる世界に、期待を膨らませる。
―えっと、103のお部屋…あ、あった。ここか!
「よーし!今日は心ゆくまでこの部屋でゆっくり過ごすぞー!」
そうして、あたしは思い切って、ドアノブに触れた。
=====レティシア視点=====
「…雑魚しかいない。」
ドラゴンがそこら中にうろついている。というか、このダンジョン、雑魚しかいないのにやたら広い。なぜだろう…まあ、そんなことはさておき。
「ドラゴン、倒せるかなあ。」
普通は余裕で倒せるはず…なんだけど。なんと!ボクは…今まで一度も戦闘したことがないのだっ!(ドヤッ)
「―ともかく、絶対魔法じゃ勝てないんだよなぁ。」
ボクの魔法は、おそらくドラゴンよりも弱いだろう。
「ええい!もう、こうなったら!!」
周りに人がいないのを確認し、ドラゴンをナイフで真っ二つに切った。ふっ、戦闘未経験のボクでも簡単に倒せちゃうなんて、まだまだだな、ドラゴン!
「そろそろ時間だ。ちょうど4時30分。」
念のため早歩きでホテルへ向かう。まあ、間に合うだろうけど…。
―ふ~、着いた。今は5時ぴったりか。ギリギリセーフだな。
「あ、ホテルで予約された方です…かっ!?」
ホテルの人は、ボクを見た途端飛び上がった。
「ホテルで予約したのですが?」
「あ、あれ?嗚呼、た、たしかにっ!確かに確かに、さっき予約してましたもんねっ!?」
はあ…。
「おっ、お部屋は103です!!」
「ありがとうございます。」
部屋の扉を開けて、中を見た。―ザ・普通の部屋だ。
ボクは、大量の金が入った荷物を床に置いて、ゆっくりとソファーに腰かけた。
その時、自分のすぐ側に気配を感じた。何だ、一体何者だ…
「お邪魔しま~す!!」
聞き覚えの無い声がして、ボクの部屋に誰かが入ってきた。
透き通るような青い瞳、三つ編みにまとめられたサラサラの青の髪の毛の少女。年は大体15歳位だろうか…。(というか、お邪魔しますって一体…)
「えっと…」
少女は、きょとんとした顔でボクをじっと見つめてきた。
「あなた、誰?」
「その言葉、そっくりそのまま返します。あなたは、誰でしょうか。」
おかしいな。ボクは確かに一人で予約したはずなのに。
「えぇっと。部屋間違いじゃないですよね?」
「うん。部屋間違いじゃないよ!」
ん?これはどういう事だ?段々頭がこんがらがってきたぞ…
「もしかして、あなたもこの部屋を予約したんですか?」
「うん!そうだよ!」
…マジですか。
「あ、えっと、名前は?ボクは、レティシア・ランドールです。」
「あたしの名前は、ソフィア・セレスタイト。ソフィアってよんでね!」
ソフィア・セレスタイト様か。ふむ、覚えておきましょう…