表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神427号~ラブ・イズ・フォーエバー~  作者: 大鳳葵生
第一章 六英雄再集結の章
9/86

1話 港町ロアヌ

 僕とヘレネは長い旅の中、やっとの思いでシサギミ大陸西側最大規模の港町ロアヌにたどり着いた。


「いやぁ、なんていうか遠かったね」


「ええ、ですが何も一番最初にあのバカ者から探す必要はないと思うんですよ」


「随分エドワルドのことが嫌いみたいだね」


「嫌いも嫌い大嫌いです」


 同じ六英雄。目的も共にし、一緒に旅をした仲と認識していたのだが。どうやらメンバー間の細かいところでは不仲なところもあったようだ。


 僕らが最初に探すと決めた六英雄はエドワルド・レーニン。幸運の冒険者と呼ばれる男で、譲渡したチート能力は「感覚操作(自身)」という些細なものだが、彼のステータス強化は運。


 エドワルドが英雄として生き延びたのは、そのチート級の運ですべてを乗り切れるからだ。


 そして感覚強化チートも運極振りのステータスも決して弱い訳ではない。六英雄の中でもし僕を殺せる人間がいるとしたらエドワルドとあと一人くらい。


 だからこそ、先に見つけるべきだと思ったんだけどなぁ。仲間になってくれるなら非常に強力な男だ。


「ですがあの男は、下劣で低俗で品位もなく行儀も悪い!」


「酷い言われようだな」


 行儀など僕もよく理解していない。運よく不器用ではないからヘレネの真似をしながら行動している分、大丈夫なのだろう。多分。


「とにかくラヴィ様。もっとこう行儀の良い方や品位のある方を!」


 まあ、僕はノースリーブに胸元丸見えの格好の君からも、品位っていうのは感じないんだけどね。


「ラヴィ様?」


「まあ、少しの間の辛抱さ」


「私はこのままラヴィ様とお供することは構いませんが、その後釜にされた方はいつまでも送り込み続けられるのですよね?」


 なるほど。確かに神々の決まり事を把握していないヘレネにはわからないだろう。


「解説しよう。まず神は自分の仕事をさぼれない訳じゃない」


「さぼれるのですね」


「ああ、だが定期巡回する神がいる。仕事を

放棄している神を殺す神さ」


「ラヴィ様は狙われないのですか?」


「権限を428号に譲渡はしたから428号が巡回する神からの忠告を受けて聞くまでかな」


 僕がそう説明すると、ヘレネはやや引きつった表情になる。


「それはいつ頃でしょうか?」


「巡回の神もまた仕事をさぼれるし、放棄もできる。だから巡回する神は複数存在し、お互いのことも相互監視しているんだ。だからめちゃくちゃ周期的にやってくるはず…………大体一年周期でくるよ」


「神基準ですぐなのですね」


「?」


 ああ、そうか。人間からしたら一年って長いんだね。不覚だった。


「しかし、巡回後にまたおなじことを繰り返したら」


「できないよ。彼の行いは与えられた仕事と真逆のことをしている。だから巡回の神に殺されるか、真っ当に仕事をし続けるかのどちらかだ。まあ僕が世界巡回に飽きたら元の仕事に戻るつもりだし大丈夫でしょ」


 僕がそう言ってパスタを口に頬張ると、ヘレネは何かを考えこむように黙り込んだ。僕にはよくわからない人間ならではの考え方があるのだろう。


 僕だってあからさまな善人だと思ったからちょっとの間。ほんの三百年程度神の仕事を代行して貰えればよかったと思ったのに。たった数日で刺客を送り付けてくる。


 人類ってすぐに善悪が入れ替わるし、こらえ性もないんだな。六英雄のみんなの人格形成は大丈夫だろうか。


「ヘレネ。六英雄のみんなのこと。君の好き嫌いは抜きにして評価してくれ」


「……ではまずは嫌いなエド様から。人間性に問題はありませんわ。お宝を見つけてはみんなで山分け。困っている人は必ず助ける。自分がどろだらけになっても笑顔で引き受ける男です」


 思ったより高評価だし、今エド様って呼んだ。なんだ大して嫌ってないんじゃないか。


「次はニコラスでいいですか?」


「あ」


「なんですか?」


「いや、続けてくれ」


 ニコラスは呼び捨てなんだね。あっちの方が年上だし、貴族と呼ばれる男だから品位もあると思ったんだけどな。


「あの男は人助けしている俺美しい系のナルシストですのでまあ、人助けを美しいと判断しているだけマシかと」


「……あー、だからあんな風に死んで転生させちゃったのか」


 僕はみんなの死因と、死ぬ間際の行動原理を把握している。ただ、頭の中まで覗けないから、真意を見抜くことはできない。


「次はイレーンですね。彼女はよくわかりません。英雄になった後もひっそり生活しているというのもよくわかりません。何も目標なく人助けをしていたというのは、ある意味見返りのない善意ととらえられるでしょう」


 そういえばヘレネは、六英雄であることを利用していたね。集客しながら奇術ショーをしていたんだっけか。


「あとは騎士様。彼は間違いなく紳士です」


「あの男はわざわざ若返りまでさせたほどの善人だ。まあ問題ないだろう」


「となると最後はマーガレットですね」


「彼女の評価は騎士よりも不要だ」


「そうですね」


 とにかく港町。どこかで良いからエドワルドの情報を手に入れられればいいのだけどなぁ。


 食事を終えた僕たちは、船着き場付近で聞き込みを始めるために港に向かった。

第一章始まりました。


最初の仲間を探すため、とりあえず港町にやってきたラヴィとヘレネ。


はたしてエドワルドの足取りを掴むことができるのか?


今回もありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ