表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神427号~ラブ・イズ・フォーエバー~  作者: 大鳳葵生
第一章 六英雄再集結の章
13/86

5話 幸運の冒険者エドワルド

 もう片方が突如わけのわからない言葉を叫びだしたと思えば、低姿勢を作り僕に向かって突進してきた。


「神回避を見せてあげよう」


 あれ? 動けない? 僕の神聖剣には、視界に入れた相手の移動能力を奪う力がある。それと同じ力が僕に働いている。


「はーっはっはっは」


 ジューリアンが笑いだす。なるほど、吸収した力を使えるのかこいつ。ヘレネの魔法や雷撃も吸収していたな。厄介だ。


「ヘレネ!」


「わかっています」


 ヘレネが僕とダウンジャケットの間に割り込むと、大地に手を触れる。


穿うがて。汝らは守り人。厄災から我らを救うため、地維ちいは巨兵を象った。地殻巨腕グランド・ガード


 ヘレネが土の壁を作り出すと、ダウンジャケットの突進は止まる。と、思いはしたがそんなことはなく、どんどん土壁にヒビが入る。


 まだ動けない僕とガードが間に合わないヘレネ。まずいなぁ。このままじゃまずい。


 突進してくる奴の能力はもしかしたら飛翔じゃないのかもしれない。となると、考えられるのはジューリアンとかいう奴の能力。もしかしたら魔法や攻撃以外にも重力できる。一定量だけの重力を吸収して浮遊していたのかもしれない。


「ヘレネ。僕は自力でガードする。ジューリアンの能力が厄介だなんとかして止められないか?」


「申し訳御座いませんラヴィ様。どうやら私の動きも止められてしまったようです」


「…………へえ? それはまずい事態だね」


 絶体絶命。本当のピンチ。さて神をここまで追い込むとはなかなかやるようだけど、そろそろ僕らも逆転の兆しが来るだろう。


 土壁が完全に砕かれ、奴の突進がヘレネにぶつかる。瞬間だった。


 ヘレネがいたはずの場所に突如現れたマジックボックス。ダウンジャケットの突進はマジックボックスに決まりそれはバラバラに砕かれた。


「ぐあ?」


 ダウンジャケットは、砕いたマジックボックスの中に何もいないことを確認する。


「こちらです」


 ダウンジャケットが振り返ると、土壁の残骸の上に座っているヘレネがいた。


「なんだって!? 彼女は間違いなく動きを封じたはずだ!」


「甘いよジューリアン君。ヘレネは初めから僕の前に割って入っていない。ヘレネほどの魔力があれば触れていない箇所に土壁を作ることは可能だ」


 マジックボックスを破壊したタイミングで突進をやめてしまったダウンジャケットに向かって僕が構えると、ダウンジャケットは再度僕に突進を仕掛ける。


 動きはまだ封じられたままとなると、戦い方を選ばないとね。


「ジョブチェンジ。格闘家ファイター


 ダウンジャケットの突進に対し、僕は奴の顔面に渾身の右ストレートをかます。


「エンチャント。スキルブレイク」


 吸収して利用してくるジューリアンでなければ、スキルブレイク属性を使用しても問題ないはずだ。


 スキルブレイク属性を放ったが、どうやらスキルブレイク失敗。そもそもどんなスキルかわからない相手だ。


 ジューリアンに奪われない内にエンチャントを解除し、足の動きを確認。どうやらもう動けるみたいだ。


「厄介な相手だね吸収系のチート能力とよくわからないパワー系タイプ」


 さて、ジューリアンも厄介だがあれはあくまでカウンタータイプ。ならば攻撃タイプのダウンジャケットから先に落とすべきだろう。


 僕のパンチを受けて吹っ飛ばされかけたダウンジャケットが体制を立て直す。ここまで強いとは思わなかったよ。


 ダウンジャケットが咆哮とともに気力を増す。なるほど、圧倒的な力で無理やりねじ伏せるタイプか。もう一発ぶん殴ってやる。


 そう思った瞬間だった。僕の体は後方にものすごい速度で吹っ飛ばされた。


 僕がパワー負けした?


「クリエイト。羊毛ウール


 吹っ飛ばされる先に羊毛のクッションをクリエイト。だが、この勢いは殺しきれない。クッション事後方に吹っ飛ばされる。今度こそ大ダメージを受ける。


「うわああああああああああああああ」


 僕の叫び声に満足そうに口角をあげるジューリアンを視認した。


「なんてね?」


「なに!?」


 ジューリアンが驚く。ヘレネが何かと思い振り返ると、僕を受け止めたクッションが吹っ飛ばない様に後ろで抑えていた者が前に出てきた。


 海賊帽にボロボロのシャツ。青を基調とした服装の青紫色の髪の男。


「最高のお膳立てだ。女神を救って登場できた。ラッキー!」


「やあ、僕を覚えていたようだねエドワルド」


 僕を救ったのは、僕が待ち望んだ男。エドワルド・レーニンだった。


 ヘレネは心底嫌そうな表情をしていたことは言うまでもない。

もっとかっこよく登場して。


今回もありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ