第三話:Halloween!
ある年の10月31日。ハロウィン当日。
「みんな集まったー?!!」
魔魅が言った。テンションはMAXに近い。
「集まってますよぉ〜。衣装も持ってますよぉ?」
祈もテンションUPなようだ。
「うぉおおおりゃああぁぁ!!やるぜやるぜハロォォォォゥゥィイィン!!!!」
もう既に変人になった守が言った。
「同時につけるんだよね??みんなセットしよーーー!」
案外雛子がテンション低いのは、他の二人のせい。
そのほかの二人は、
「・・・・・・」
無言。
「さてさて、もうみんなもらった衣装はセットできましたか〜??」
魔魅はノリノリ声で言った。
「できましたよ?っていっても僕は持つだけみたいですが・・・」
辰則は少し不安そう・・・。
「もう・・・何が起きても知りませんよ・・・?」
とさりげなくつぶやいた。
「もういい。めんどくせぇ。はやくやろうぜ・・・」
狂助はやたら面倒くさそうだ。
「でわみなさんいきますよ〜・・・」
祈が顔で「セットの用意しろっ」と目配せして
「「「「「「せーーのっっ!!!!!」」」」」」
0.01秒も狂わず、6人は同時に着た。
すると、あたりが真ッ黒になった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「えっ・・・ここどこ??真っ暗!!」
魔魅が最初の一声を出した。
「気合だ気合だー!!にしてもこの首飾りチョーカッコイイ!俺様最強!!」
と守はナルシストになっていた。
「おい!辰則なんかわかるか?」
雛子は少し混乱しながらも言った。
「なんか不思議なところですね。
けどここ・・・・」
となにか言いかけたところで言うのをやめた。
「けどここ・・・がなんなんですかぁ?辰則さん?
けどここ・・・楽しそうですね!とかですかぁ??」
ひとり空気読めてない祈。
「で・・・本当にここどこなんだよ・・・・」
狂助が一番心配していた・・・。
そんな時、急に明るくなりあたりが真っ白になった。
「「みなさ〜ん!魔界へようこそ!!!」」
結構子供な声が聞こえてきた。
6人は同時に声の主を確かめようと振り向くと
身長130cmぐらいの男の子二人が立っていた。
キラキラ輝く顔。夢と希望に満ち溢れた目。
二人はそんなそっくりな顔と目で見つめてきた。
「「僕たち、みなさんを魔界「キィスティナ」に送る仕事を任されました。」」
「インフレです!」「デフレです!」
「「僕たち双子なんでどっちがどっちかわからなくなると思いますが
よろしくお願いしま〜す!」」
とかわいらしい双子は言った。
「「「「「「魔界、キィスティナ!!??」」」」」」
と6人はハモって言った。そして死ぬほど驚いていた。
「魔界・・・なんで魔界・・・?」
魔魅は不思議で不思議でたまらなくて少し混乱。
「あなたたちが身に着けているその帽子、十字架、双剣、勾玉、被り物、首飾り。
全部魔導具なんですよ!しかも伝説級!!」
とインフレが言い、
「だって、ケテルの魔帽子、コクマーの十字架、ネツァーの双剣、
ビナーの勾玉、ティフェレトの魔冠、ホドの首飾り・・・
全部「マジックパンプキン」の遺物です!!」
続けてデフレが言った。
「ケテル・・・王冠・・?ですか?
それにコクマー・・知恵?
そしてネツァー・・・勝利・・・。
ビナーで理解、ティフェレトで美、ホドで栄光・・・。」
と辰則がぶつぶつつぶやいた。
「そうです!大正解です!えらいですね〜。
それが各魔導具の意味ですよ〜。」
インフレはびっくりして言った。
「すげぇなぁ、お前。さすが霊道一族長男。」
雛子はさりげなく言った。
「あのぉ、マジックパンプキンってなんなんですかぁ?おいしいですか?」
とまた訳のわからぬことを言う祈。
「<マジックパンプキン>というのは、魔界で最強!と言われてきた6人のチーム名です!
その人たちは魔界の悪の魔王「ベースダー」を洞窟の奥底に封印し、この6つの魔道具に
自分たちの魂を封印した・・・という言い伝えがありますです!」
とデフレが答えた。
6人は混乱した。
ただ・・ただハロウィンを楽しもうとしただけなのに着た瞬間魔界かなんかに飛ばされる、
伝説の魔導具を持っている、魔王を封印した6人・・・。
とにかく訳がわからなかった。
「あ!そろそろ時間がありませんねぇ。
では、少し修行の間にでも行ってもらいましょうか。」
とインフレがいきなり言い出した。
「え・・・?修行の間って何?」
魔魅は恐る恐る聞いてみた。
「魔界に行ったら、いろいろ危険なので戦闘も含めて
修行の間で練習してもらいます!」
とデフレがはっきり答えた。
「「「「「「えーーーーーーー!!!!」」」」」」
6人はビックリ。けど、少しワクワクする気持ちもあった。
「ではでは飛ばしますよ〜!みなさん準備してくださいね〜。」
とインフレが言い、二人で何かを唱え始めた。
「「神々の戦士たちよ 我の声に答え、彼らを導け
開け!修行の間!!」」
呪文を言った後、後ろに謎の黒い穴が3つ現れ
6人はそれぞれペアずつ穴に吸い込まれていく。
そのとき何故かお金の音が聞こえた。
「だずげでー〜!!・・・」
雛子が出すとんでもない声。
「めんどくせぇことになってきたな・・・まじで」
と狂助が言い、みんな吸い込まれていった。
「彼ら・・・とんでもない運命かもしれませんね!」
「そうかもしれませんね!」
インフレ・デフレがつぶやいて、暗闇に消えていった。
その顔には、闇が映っていた。
さて、6人は修行の間という謎なところに飛ばされてしまいました。
次はペアごとにお話がすすんでいきます。
気になるペアの組み合わせは・・・?