第二話:不思議な玩具屋
「ようこそ、いらっしゃい。よくこんなところを見つけられたのお。」
70代後半のおじいさんが出てきた。
顔はしわしわで目が微妙に見えるぐらい。
そんな弱弱しい目で6人を見つめていた。
辰則はこの瞬間、違和感を感じた。
「おじゃましまぁ〜す・・・」
魔魅は言いながら周りを見回している。
並んでいるのは今時売ってなさそうな玩具ばかり。
「この時期にくるってことはハロウィンの仮装じゃろう?はいはい、そこで待っておれ。」
おじいさんは店の奥に探しに行った。
「この店・・・やばいです。いろんな意味でやばいです・・。」
辰則が少しビクビクしている。相当怖いのだろう。
「なんでそんなにびびってんだ?普通の玩具屋じゃないか。気合だ気合い!」
守は言った。そして辰則は恐る恐る口を開いた。
「ここにあるすべての玩具・・・全部霊力のようなものが宿ってるんです。
けど霊力ではない・・・けどとても不思議な力が・・・」
みんなびっくりした。本当にそんなことがあるとは誰も思わない。
「どうしたんじゃ?ほれ!仮装セットもってきたぞ。」
おじいさんがかごにいろいろ衣装を入れて持ってきた。
「きみにはこれをやろう。すてきじゃろう?」
魔魅は魔女の帽子らしき帽子をもらった。
真っ黒でツバ付きの三角帽子。先端部分は後ろに折れており、先端には大きい星が付いている。
まきの帯は赤色で、ほんとうに魔女の帽子のようだ。
「そして次、君にはこれがいいじゃろう。信教などは関係ないぞ?」
祈がもらったのは聖なる十字架。
本当に神から授かったような神々しい物だが、真ん中にお化けのカボチャの目と口が付いている。やはりハロウィンの道具だから遊びな部分があるようだ。
「そして君にはこれをあげよう。カッコイイ双剣じゃ。」
狂助は銃刀法違反で捕まるかもしれないほど本物に近い剣をもらった。けど刃ではない。
握りの部分は真っ黒だが、さりげなくカボチャの顔が。
「君には・・・やはりこれじゃろう。君の血に反応してくれるはずじゃ。」
辰則は真っ黒な勾玉をもらった。かなりビッグサイズで、殴られると痛そう。
穴がカボチャの目になっていて、見事なデザインに仕上がっている。
そこで辰則はふと思う。
(なぜこのおじいさん・・・僕の血を知ってるんだ?!)
「君にはこれじゃ。元気な君にお似合いじゃろう。」
雛子がもらったのは・・・
「えー!カボチャの被り物ー?!+αみたいな〜・・・」
ちなみにαとはカボチャの頭についている緑の三角帽子である。
ちゃんと口と目の部分は穴が開いている。結構可愛い感じだ。
「最後に君には・・・これじゃ。カッコイイじゃろう?」
守は首飾りをもらった。
ダイヤの形で真ん中に十字架が書いてある。そして左右に翼がほどこされている。
聖騎士が身に着けているような首飾りだ。
「あの・・・えっと・・・代金は・・・?」
魔魅はずっと心配していた。実はお金はみんな自己負担なのである。
「ほ?代金はいらん。全部、無料であげよう。」
「わーい!ありがとうございます!おじいさまぁ。」
祈はすぐさま答えた。天然パワー炸裂。
「これでお前さんたちの運命は変わった。
その衣装はみんなで交換してはいけないんじゃ。
交換してしまうと、不幸が付いてくるそうじゃよ。」
おじいさんは高らかに言った。
「このまま着ろということだな。たしかにそれならめんどくない。」
狂助は少し安心して言った。
「ちなみに皆で明日同時に身に付ける。それが鉄則じゃ。」
「「「は〜い」」」
女性3人組は答えた。辰則は黙ったままで、守はずっと首飾りを見つめている。
「さて、もうこんな時間じゃ。帰らないと怒られるんじゃないのか?」
時計の針は7時を指していた。
「「「「「「やばい!」」」」」」
「おじいさんありがとうございました!」
魔魅がお礼を言い、6人同時に走り出した。
「さて、これからが楽しみじゃな。あの子らに、あそこの運命を託した。
あ、そろそろ準備しないとやばいな。」
30歳ぐらいの青年が呟いた。
顔もキリッとしていて、モテ顔間違いなしの顔。
おじいさんがいた場所に、その青年は立っていた。
おじいさんは、もういない。
「じゃあみんな!明日放課後!!いつもの場所に集合!!
自分の衣装を持って!あとお菓子・マネーも!!じゃあ解散!!!」
魔魅が急いで言って、みんな家に帰っていった。
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そして・・・10月31日。
用語解説
まき:帽子の帯の部分。
握り:剣の持つところ。
カボチャの顔:(・w・)




