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特別編 女神様、出番です!

色々今後のネタバレが含まれています。


「待たせたな!ってか待たされた!百話突破記念の特別編に……私が来た!女神様降臨、だっ!」


何処からともなく乱発されるクラッカーに、鳴り響く拍手の嵐。そして、きらびやかなステージの中心でスポットライトを浴びるのは……ピンク髪の自称低級女神様である!


そして、広大な観客席に座るのは……ポツンと一人、剣くんだけであった……


「……突然、俺を拉致してきて何を宣っているんですか?何ですかココは?何アリーナですか?」


剣の疑問はそっちのけに、久々に登場した女神様は、自分の都合で話を進める!


「フッ……まあ今回は特別編にして番外編。メタ発言からネタバレまで自由気ままにやらせて貰う!とゆーわけで、先ずはゲストを交えてこんなコーナーから!〝ぶっちゃけ!剣くんの前世の世界はこんなトコ!?〟で~す!あ、本編ストーリーの流れで知りたい方は、マジで注意してね!」


「……ヲイ!本編で異世界編に入る前にかよ!?マジでネタバレする気かぁ!?」


「だってぇ~、剣ちゃんがあんまり前世について言及しないんだもの~!よくある剣と魔法な世界観ぐらいしか文面から伝わって来ないしぃ~……も少し親切丁寧低料金で読み手の皆様に説明してあげるぺきじゃないかと思うぅ~」


「低料金て何だ?[なろう]だよ?ゼロ円文章だよ!」


「おぉおぉ、剣ちゃんもしっかりメタ発言入っちゃってるね!ノリが宜しく、女神様御満悦!それじゃあ早速、本編でもちょこっと書いてあったんだけど〝勇者〟と〝魔王〟がシステムとして存在している世界だって話だったよね?その辺りの説明よろすく!」


「自分でネタバレとか言っといて他人任せかよ!ま……逆らっても無駄なんで説明しますけど……」


とおっても苦々しく、渋々と、剣は無気力に説明を始めた。


「まず~、俺が前に居た世界の名前は〝エルヴィアス〟だったかな……確か。そん中で最も魔力に恵まれた人型の種族、魔族と、その他の人型種族が延々と争い続けている世界でした~。その魔族の中で一時代に一人、強大な力を持つ者が現れ王となる……それが、エルヴィアスの魔王。それに対し、地球人と外見的に相違無い……日本語に訳すと、正人(せいじん)族かな?から生まれる、魔王に匹敵する存在が勇者。勇者も一時代に一人しか生まれないんで、どっちかが殺られると、殺られた陣営が一気に不利になる……みたいな?」


正直、種族間の争いに興味が無かった剣さんは、世界の趨勢にも興味が無かったのでうろ覚えだった!


「ほうほう、ありがちな勇者と魔王の物語だねぇ~?でもさ、確かヴェルちゃんって正人じゃなくて翡翠狼族じゃなかったっけ?そこんとこ……どうなの?」


「何代か前の勇者がケモナーで、翡翠狼族の嫁を娶ったと記憶しております。正確に言えば、勇者は血族にしか生まれないようです。俺も、ヴェルティエ以外の正人じゃない勇者を見た覚えはありません」


「ふんふん、それじゃ魔王は?」


「魔族の中から完全ランダムで生まれるんだと思います。それか……長い歴史の間に、魔族全体に魔王の血が混ざったのかもしれませんけど」


「なるほどな~。で、勇者と魔王はエルヴィアスにとって、どんなシステムなのかって話に戻ろうか!」


「端的に、魔族とそれ以外を争わせる為の存在です」


「端的過ぎるよぉ~。何故そうなる?の部分の説明プリーズ!ビギナーにも分かり易く!」


「はいはい……ま、簡単にザックリとね。魔王が生まれると、エルヴィアス中の天然魔力が活性化します。すると、魔族以外の種族にとっては、人体に有毒なレベルにまで魔力濃度の高い土地が増加し続けます。その範囲拡大はとても緩やかではあるのですが……存在するだけで世界を侵略してしまう存在。そんなのいたら……まぁ、戦争になりますよね」


「うわぁ……その世界の設定えげつな!和解とかほぼ不可能だよ!」


「個人単位で仲好くはなれても……ま、どっちからも迫害されるでしょうね。……で、普通の人族には有害な魔力濃度の中でも例外的に生存可能なのが勇者です。魔王が死ねば天然魔力の活性化が沈静して、高濃度地帯も活性化前の範囲に戻ります。これがエルヴィアスの勇者と魔王システムです」


世界の仕組みによって、生存権を巡り戦わざるをえない世界。それが、剣がかつて〝無銘の聖剣〟として在った世界だった。


「まあ、天然魔力の活性化で発生する事案は他にも細々とありますが……大まかには、こんなトコですね」


「そだねぇ、あまりネタバレが過ぎると読者様の気持ちが萎えちゃうしね!世界観の事前情報としては妥当な範囲でしょう!後は私から補足するね!エルヴィアスは一つの大陸と無数の島から成り立っております!魔族の国は大陸の中央辺りに位置していて、他種族の十二の国家に囲まれているんだよ!この国々は魔族との戦争に常時備えているので、当然軍事関係に秀でていて、国際的に発言力が強いのさ!」


したり顔で異世界の国家間事情まで語る女神様。剣はとってもやりきれなさそうな、沈んだ表情で女神様を睨んでいる!


「やっぱり……俺より詳しいじゃないですか……」


しかし、空気を読まない女神様は、剣の抗議をまるっと無視するのであった!


「うん……飽きた!そんな訳で……剣ちゃんバ~イバ~イ!」


「あ!コラ!……って、また夢の世界だったのかよぉ~!身体が薄くなるぅ~?」


為す術もなく、強制退場させられる剣……女神様は剣が完全消滅した事を見届けると、指をパチンッ!と鳴らした。すると、瞬時に周囲の景色が再構成されてゆき……


「る~るる、るっるる~るる、るっる、る~る~る~る~、る~るる♪」


女神様自らがBGMを口ずさむ。新たな舞台は、独特な髪型で非常にインパクトのある、パンダ大好きなベテラン女性タレントがゲストとトークを楽しむ、あの部屋そっくりであった。


「ここは……徹○の部屋?ボ……ボクが何故ここに!?」


「はい!ここからのゲストは聖家六女の桜ちゃんで~す!」


「いつぞやの女神様!?……つまり、ここはメタ世界でありますか!」


「説明の手間が省けました!流石は桜ちゃん!」


「女神様こそ、その髪型……凝り性なのであります!」


そう、女神様は髪を○柳ヘアーにセットしている!色はピンクのままだけど。


「……今回は、ボクだけなのでありますか?」


周りを見回し、女神様と二人きりであることを訝しむ桜。


「さっきまで剣ちゃんが居たんだけど、強制送還しました!ここからの企画には、桜ちゃんが適任だと思ったので!」


「……企画、でありますか?」


「そう、題して〝聖家姉妹が異世界行ったらどんな職業?〟で~す!ここからは桜ちゃんと一緒に、みんなのスキルやジョブを考えてみたいと思いま~す!」


この時、桜の瞳が爛々と輝いた!


「なんと……なんと厨二心を震わす企画!あんなスキルを使いたい……こんなジョブの力が有ればと……異世界召喚を夢見る者が避けて通れぬ夢想と妄想!それをやってしまうのでありますな!?……大歓迎なのであります!」


「桜ちゃんなら、そう言ってくれると思ってた!それじゃあ早速始めよう!先ずは、桜ちゃん自身の御希望は?」


虚空からペンと紙を取り出す女神。メモ取り準備は万端だ!


「ボクからですか?ズバリ!錬装師であります!複数の武器を瞬時に使い分けする事で、あらゆる状況に対応可能な、マルチな器用貧乏職なのであります!」


「え~と、武器スキルは双剣と大剣と大鎌、それに双拳銃でいいのかな?」


「流石は女神様!分かってるぅ!」


「うん。凄く厨二っぽいジョブだもんね。二つ名で〝○の恐怖〟と呼ばれるといいね!」


桜が望むのは、ネトゲ世界を救う為、違法行為を駆使したバリッバリのチートキャラであった!


「お次は光ちゃんね。基本的な身体能力は桜ちゃん以上なんだけど」


「素で〝狂化〟スキル持ちだと思うのであります……ま、まぁ性格的には攻めるよりも護りに重きを置くタイプではないかと。防御寄りの戦闘職が向いているのでは?」


「……重量級武器を持たせて敵陣に放り込めば、一人で殲滅してくれそうな気がしない?(笑)」


「それ、ジョークになってないであります!敵を全滅させ、返り血で全身を染めながら微笑む光姉様……想像するだけで恐ろしいのであります!光姉様には大人しく後衛として戦闘指揮をして戴きたいのであります!」


小町が幼少時に刻まれた以上のトラウマを、最近になって植え付けられてしまった桜。光の怒りの形相を思い浮かべるだけで、恐怖で身が竦んでしまうのであった……


「あっはは~、あれは見事なラブ狂いだったよね~。そだねぇ、なら、後衛職を護衛するのに向いた職業……〝聖騎士〟辺りが妥当かなぁ?〝結界魔法〟と〝治癒魔法〟が相性いいかな?」


「是非それで!前衛は兄様とボク、それに翼姉様と希姉様が受け持つのであります!」


「はいはい、光ちゃんは聖騎士っ……と。翼ちゃんと希ちゃんは前世で戦闘のプロだった訳だから、近接から狙撃まで何でもこなせるし、二人のコンビネーションは既に芸術的とも言えるレベル……やっぱり二人は連携重視のスキルとジョブにしなきゃだね!」


「そして、パワーよりもスピード型で!筋力自体は普通の女子と変わりませんですから。あまり重い武器は持てないでしょうし……持ちたくないでしょうし」


「デフォルトだと、歌姫かな?それとも踊り子?取り敢えず、スキルに〝剣舞〟は確定させちゃおう!」


「武器スキルは勿論〝双剣〟で!合体必殺技は〝回天剣舞十二連〟なのであります!」


「つまり、二人のジョブは〝忍者〟だね!」


「なのであります!」


目立ちたがりで隠密性は皆無であるが……この場にはツッコミが不在である!


「梓ちゃんは戦闘職より生産職向きだよね~。彼女の作った服に魔法付与したら凄い事になりそう!」


「作中性能を再現したコスプレ衣装が実現出来そうなのであります!魔法少女的な変身!ふんわり浮かぶ羽衣や鳥のような翼!ウネウネ動く冒涜的な触手!夢が叶うのでありますぅ!」


「属性耐性付与とか二の次だよね!是非とも趣味に走った素敵防具を作って貰いなよ、You!魔物素材を剥ぎ取れ剥ぎ取れー!希少種なんて絶滅させろー!」


「ドラゴンさんを乱獲するのです!」


「それじゃ、梓ちゃんは〝魔導服飾師〟でぇ、スキルは〝付与魔法〟〝魔法特性付与加工〟〝製糸〟〝高速縫製〟ついでに〝鉱物加工〟も付けちゃおう!」


「既に、一流職人としか思えないスキルてんこ盛り!チート職人誕生なのであります!」


恐らく、異世界召喚されたら桜は希少素材を求めて、モンスターを嬉々としてハントするであろう。ギルドからの依頼を受けるだけで、苦もせず希少種と遭遇可能な世界でないことを祈るばかりである……


「次は……う~ん……遥ちゃんって、凡人なんだよねぇ……」


「女神様……言葉をオブラートで包んで下さりませ!」


「だってさぁ……学校の成績は平均以下。身体能力も並。得意な事も趣味も無し。ま……可愛い顔はしてるけど……職業〝メイド〟のままで問題なくない?」


「扱いが雑なのです!確かに見せ掛けヤンキーで腕っぷしは無力に等しいでありますが……女子力、否!乙女力はダントツなのでありますよ!」


その頃の遥さん。「グフッ!?あぐっ!うぼぉぉ……」矢とか槍とかパイルバンカーに心臓を抉られ貫かれる悪夢に苛まれておりました♪


「だーい丈夫!メイドはおはようからおやすみまで!あらゆる雑事をこなせる万能職さ!努力次第じゃ戦闘メイドにクラスチェンジだって可能だからね!……可能なだけだけど」


「戦闘メイドなれば、〝暗器〟と〝投擲〟は必須スキルでありますよね?フォークやスプーンにナイフ……銀食器はメイドにとって標準武装であります!」


「異議無し!戦闘メイドはロマンだもんね!ま、少し物足り……い~い事思いつ~いちゃった!うふふふふふふふ……」


桜から見られないように、女神はペンを走らせた!


「な、何を追記されたのでありますか?」


「ひ・み・つぅ!これは敢えて公開しない!ただ一つだけ言っておく、ハルにゃんが大好きな人が大喜びしてくれる魔法を思い付いたのさ!」


ぱっちり星飛ばしウィンクで悪戯笑いの女神様。それを見て、桜はそこはかとなく不安を……抱かなかった!


「なんだか、とってもキュン萌えさせてくれそうな悪巧みをしているでありますな!?正に神の悪戯的に!」


「ふふ……神は時々、人の子のつまらぬ願いも叶えるのさ!さてと……これで申請通るかな~?」


「……申請?」


突然降って湧いたワードに、桜は思わず首を傾げた。


「うん。今まで書いてたコレ。特殊能力を付与してくれる神様に提出する申請書だから。予め提出しておくと、異世界召喚された際に付与される能力として優先されるんだよ。まあ、スキルの空きスロットや個性との相性なんかもあるから、希望通り申請が通るとも限らないんだけどね」


「……クレジットカードの審査みたいなのです。って!?今までの企画、ガチだったのでありますか!?」


「うん!遊びだと思ってた方が真剣に考えてくれるでしょ?いやはや、充実した会議でした!ま、全てが希望通りにいかなくても、下位互換のスキルを得られる確率は上がると思うよ!」


「うわ~……すっかりのせられていたのです……おや?ボクより下の妹様達のスキルについて、まだ話しておりませぬが?」


普通、全員分終わってから種明かしするものでは?桜の当然な疑問に、女神は神妙な顔をして答えた。


「残りの三人はね~……私がどうこうする意味が無い子と、どうこうしたくない子と、手出し出来ない子なんだよ~。ぶっちゃけ、下の子三人は本人達は気付いてないけど、剣ちゃんと同等以上に化ける可能性が有るんだよぉ~」


「ここに来て、今回最大のネタバレ!?に、兄様以上でありますと!?そ……それは一体?」


「……それは、今後の展開をお楽しみに!以上!百話突破記念の先取り設定発表会を終わります!」


「投げたぁ!」


「それでは皆様!百五十話を過ぎたら、特別編でまたお会いしましょう!まったね~!」


にこやかに手を振りながら、申請書と共に姿を消した女神様。桜は一人、白いお部屋に残された……


「これ……現実で目を覚ますまで放置なのでありますか?なにか暇潰しになりそうな物は……おや?」


桜の頭上に、紙切れがヒラヒラと舞い降りてきた。


「えっと……『チャンスが有ったら、本編にも出るからね!ぷらちーな女神様より PS:異世界エルヴィアス編には必ず!』で、ありますか……それでは読者の皆様、次回は通常の[聖剣くんと九人姉妹の非凡な日常]をお楽しみに~……くはぁ~」


一方的に締めを任され、それを終え、大きく溜め息を吐くと、桜はソファーにどっかりと背中を預けた。


「記憶に残らぬとはいえ、正直しんどい事を聞かされたでありますなぁ……チートでないのは、遥義姉様だけでありますか……!?今後大化けするフラグ!?あうぅ!記憶に残らないのが恨めしいぃ~!」


夢の中で、どうにかこの記憶を現実に残せないか思案する桜であったが、神の力の前には無力に等しい努力であった……






今後の展開について、設定を少々発表させて戴きました。異世界の名称は適当です。特に元ネタはありません。語感と語呂重視です。

桜の希望職業は、ネトゲを題材にしたオフラインRPGの二代目主人公さんです。とても厨二な性格と見た目が素敵でありました……

翼と希は、双子の双剣使いを見たいが為にこうなりました。必殺技は、るろうにの隠密の御頭様をリスペクトしました。

遥……頑張れ!

下の三人については本編をお待ちください。

次回は気持ちを新たに……することもなく、通常運転の通常回に戻ります。

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