五話 いざ、ダンジョン攻略へ
正面の曲がり角から気配の主が出てくる、その姿はゲームなどでよく見るゴブリンにそっくりだった。
「ゲームよりはリアルだがまさにゴブリンって感じだな」
どう見てもゴブリンにしか見えないのだが一応鑑定して見ることに。
ゴブリン
レベル:2
と、情報量は少なかったがゴブリンだと分かった。
「やっと俺の技が使える」
こちらに気づいて手に持っている棍棒を構えているゴブリンの隙を付き、一気に懐に飛び込む。
「グギャッ!?」
「遅いんだよ」
そして一気に軍刀で叩き切った。
「ふむ、良いな…実践でこそ技が冴える」
命あるものを殺すというのは少し罪悪感を感じるが、この罪悪感を乗り越えてこそ俺は本当の戦鬼に成れると直感が言っている。
戦いが楽しい…もっと敵と戦う為に、先程ゴブリンが来た曲がり角を曲がって先に進む。
すると、道の先には広場がありそこには10体のゴブリンが。
なので、先程と同じように一体のゴブリンを懐に飛び込んで切り殺し、同様に三体切り殺す。
そこでようやく俺に気づいて残りの六体が襲いかかってくるが、それを避けたり受け流したりしながら確実に一体一体を切り殺して行き、遂に最後の一体を切り殺す。
「いい!もっとだ!」
俺は想像していたよりも戦いに飢えていたようだ、敵のゴブリンを見つけてはどんなに数が居ようとも、殺す。
そして一階層のゴブリンを全て切り殺す頃には血塗れになっていたがそんなことは気にせずに、見つけた階段を降りて二階層へ進もうとしたがそろそろ夕食の時間だと思い、今日は帰ることにした。
「あーこの血はどうしようか、絶対母さんに怒られるだろうな」
母さんは昔から俺が危ないことをするのは反対なようで良く曾祖父さんを責めてたが曾祖父さんは笑って誤魔化してたな。
懐かしいことを思い出していると、突然全身に浴びた血が軍刀と軍衣に吸い込まれていく。
「なっ!なんだこれ!」
慌てて鑑定する。
軍刀 不知火
攻撃力:C
能力:吸血・炎纏
沢山の人間と魔物の血を吸ったことによって出来た妖刀。
戦鬼の軍衣
防御力:C
能力:吸血・物理耐性・魔法耐性
沢山の人間と魔物の血を吸ったことによって出来た魔防具。
人間の血を曾祖父さんがたくさん吸わせて、俺が魔物の血を沢山吸わせたことによって、かなり強力そうな装備に変わった。
それに見た目も変わった、軍刀の刀身は艶のある黒に染まっており、その黒の中に赤い線が入っている、それに軍衣は色が真っ黒になっており、見た目はちょっと現代風にデフォルメされている。
これじゃあ俺がコスプレしてるみたいじゃないか…