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化け物の子
全員の自己紹介が終わり、皆、帰宅の準備を始める。早々に準備を終わらせ、教室を出ようと言う時、後ろからとある会話が聞こえてきた。
「ねぇねぇ、あの子ってもしかして親が魔道士の子?」
「そうそう!化け物の子だよ!」
聞こえなかったフリをし、教室を出る。
「化け物の子、か……」
俺の両親は魔道士だ。魔道士は魔物の血が入っていると人々から忌み嫌われ、見つけられ次第、殺されるか奴隷。両親も一昨年、殺された。そこからは地獄だった。学校で避けられ、嫌われ、イジメられ、真面目に学校に通っているのが奇跡のようなものだ。
「よぉ〜柊〜」
「ひっ⁉︎の、野崎くん?」
「また同じクラスだなぁ〜、よろしく頼むぜ〜」
彼が俺を一昨年からイジメてくる野崎くん。彼とその取り巻きに俺は毎日のように殴られ蹴られの毎日。教科書やノートだって破られたり捨てられたりする。周りは止めない。俺が化け物の子だから。むしろ、俺が悪で彼が正義なのだ。誰も悪を助けない。それが普通。悪は倒される運命なのだから
野崎くんの名前忘れた