※主な登場人物と地名の解説
【登場人物】
○吉良徳郁
人里離れた場所に一人で暮らす青年で、殺し屋を生業としています。他人がそばに来るだけで不快になる特異体質です。
○サン
謎の少女です。あることがきっかけで、徳郁の家に居候しています。徳郁が不快感を抱かない、唯一の人物です。
○クロベエ
右目の潰れた黒い野良猫です。徳郁とサンに懐いています。
○シロスケ
白い野良犬です。徳郁とサンに懐いています。徳郁とサンが出会うきっかけを作りました。
○成宮亮
徳郁に仕事を斡旋している、裏社会の人間です。徳郁の唯一の友人でもあります。
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○岸田真治
芸術、そして血と暴力とをこよなく愛している狂った青年です。魔歩呂市を牛耳る神居家の当主の隠し子でもあります。
○立花薫
真治の忠実な部下です。百九十センチの長身と強面の顔立ちが特徴的であり、暴力には慣れています。
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○高田浩介
見た目は、ごく普通の中年男ですが……何か重要な秘密を胸に魔歩呂市にやって来ました。特筆すべき能力はなさそうですが、何故か他人のために命を懸けようとします。
○高田希美
浩介の妻です。不思議な予知能力を持っている、ようなのですが……。
○まひる
浩介の娘です。明るく朗らかな性格で、浩介の心を癒してくれています。
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○天田士郎
裏の世界に生きる仕事師です。ペドロを始末するため、魔歩呂市にやって来ました。
○ペドロ・クドー
恐るべき戦闘能力と行動力、そして何者にも屈しない精神力とを兼ね備えた最悪の殺人鬼です。メキシコと日本のハーフであり、アメリカの重警備刑務所にて服役していましたが……脱獄し、日本にやって来ました。
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○住田健児
見た目は普通のサラリーマンですが、謎の多い男です。政府の関係者らしいのですが……。
○村田春樹
三日月村で生まれ育った青年です。事件のあった夜、たまたま町に来ていて巻き込まれずにすみました。しかし、今は一匹狼のテロリストと化しているようです。
○神居宗一郎
魔歩呂市において、絶大な権力を持つ神居家の当主です。
○工藤明
士郎の友人であり、ペドロの息子です。しかし父とは縁を切り、平穏に暮らしています。
○市松勇次
十年前、三日月村で数日間の内に二百人以上の村人を殺害した、世界でも類を見ない大量殺人を犯した男です。事件の後すぐに逮捕され、異例の早さで死刑に処されました。
【地名】
○魔歩呂市
物語の舞台となる、四方を山に囲まれた地域です。表面上はごく普通の田舎町ですが……余所者を歓迎しない閉鎖的な空気が流れている、少し不気味な場所でもあります。
○三日月村
人口二百人ほどの小さな村でしたが……市松の手で、ほとんどの村人は皆殺しにされました。その後、村の跡地は巨大な塀に囲まれてしまい、事件から十年たった今も入ることは出来なくなっています。