二人の野球少年(3)
「絶対何かあるよ!」
次の日の放課後、耕と祐司て優介は秘密基地に居た。
「確かにな…僕もそう思う。」
祐司は耕から昨日の話を聞いて腕を組んでいた。
「なんか、上手く誤魔化してるけどお前、もう別行動やめろよ…」
耕は呆れて言った。
「それと、健太のお兄さんは 健太はもう友達ができたのか って言ってた…何故あえて「健太は」って言ったんだ?もしかしたら、お兄さんは友達ができなくて悩んでるんでは…」耕は考え込んだ。
「それにしても、よくもまあ耕君はそんな事に気づくよね。」
優介は感心していた。
「まあ、洞察力だけが俺の取り柄だからな。」
「それも、そうだな。洞察力以外に取り柄がないもんな。ハハ。」
「祐司…お前…。まあ、そんなことよりこの事、健太に話してみるか。」
「え…大丈夫かな…健太君が心配するんじゃない?」
優介はいつも、友達の心情考えている。
「いや、耕の言う通り言おうか。健太のお兄さんの為にも事実をしる必要がある。」
「そうだよね…お兄さんの為には必要かもね…」
優介は心配しながらも、うなずいた。
「お待たせ!」
そこへ、健太が来た。
「おう。お疲れ!」
「昨日はごめんね、一緒に遊べなくて。」
「イヤイヤ、僕らの方こそ勝手についていちゃて悪かったね。」
健太が座るといきなり耕が聞いた。
「ねぇ、健太!最近、お兄さんに変わった事ない?」
「え…変わった事……特にないけど、どうして?」
いきなりの質問に健太はびっくりした。
そこで、耕は昨日感じたことを話した。
「そうなんだ。でも、お兄ちゃんは明るい性格だし特に悩みはないと思うよ。」
「自慢のお兄さんなんだね」
「へへへ…」
耕に言われて、健太は照れていた。続いて、優介も質問した。
「あ、健太君のお兄さんはサッカーが好きなの?昨日リフティングしてたけど。」
「うん。そうだよ。でもね、小学生の頃は野球が好きで野球を習ってたんだよ。それなのに、中学になったらいきなりサッカーがやりたいって言ったんだ。最初にこっちに来たときは野球部に入るって言ってたけど…」
「へー面白いお兄さんだな。」
その時、祐司は眉間にシワをよせた。
「お兄さんは嘘をついてる。」