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ヒーローは突然に  作者: 世良雄介
3/10

3号(下)

耕は祐司の横にある、「秘密基地、暇な時の為の漫画雑誌」を見て何故に祐司が「3号」という名にしたのか、わかった。耕は呆れて言った。

「そんな、理由で・・・」

まだ、理由のわからない優介と健太はキョトンとしている。優介は聞いた。

「どういう意味だい?」

耕は話した。

「漫画の「正義のロボロボマン」があるだろう?あの、漫画に出てくるめっちゃくちゃかっこいい、スーパーマン3号から取ったんだろ。祐司はあのスパーマン3号が大好きだもんな。」

祐司は図星で頭を掻いた。

「いや・・・その、なんというか・・・そうですよ・・・」

すぐに知られて、祐司は少しショックだった。

「なんだ、そんな理由か。」

優太も耕も健太も一緒になって笑った。

健太と初めて会った、あの始業式の日からちょうど2週間が過ぎた。あれから、4人は毎日のように遊んだ。健太は消極的なのは変わらないが、健太はもう3人に馴染んでいた。

耕も少し良いことがあった。本人にしてみれば、とてもうれしいことなのだろうが。その良い事とは、耕が満智子と同じ係りになることができたことだ。

係りとは、そのクラスの仲での当番だ。その、耕の当番とは飼育係である。

勿論、耕がわざと一緒の所に入ったわけではない。普通は皆で係りを決めるのだが、竹田先生が

「係り決めの時間なぞ、もったいない。」

との鶴の一声でくじ引きになったのだ。読者みなさんは、耕にはくじ運があるのだと思うだろうが、それは少し違う。というのは、飼育係にはあまり仕事が無いのだ。なので、そこまで耕が満智子の近づいてはいないのだが当の本人は

ずっと、浮かれている。

「飼育係サイコーーーーーーーーー」

が耕の口癖になりそうなほどに・・・。とにかく、耕と満智子の話は後のことで・・・

今日も、4人は秘密基地で待ち合わせをしていた。しかし、まだ基地には祐司と耕と優介だけで健太はまだ来ていなかった。耕は2人にささやいた。

「おい・・・健太のことなんか、気にならないか?」

優介は

「なんで?」

と聞き返した。

「だって、あいつの性格はわかったけど家でのこととか知らないだろう?あいつ話す数少ないから・・・」

それを聞くとまた、優介。

「だったら、聞けばいいじゃないか。」

「それじゃあ、面白くないだろ?なあ、リーダー。」

そこまで聞いて、祐司は言った。

「そうだなあ、では最初のミッションをそれにしようか。題して「健太を尾行しようぜ作戦!!!」でどうだろう?耕くん。」

「いいねえ、さすがリーダー」

それを聞いて優介は首をかしげてから

「なんか、悪い事のような気がするけど・・・・」

っとその時、健太が来た。不安そうな顔で聞いた。

「ごめん。待った?」

3人はびっくりしたが、平常心でふるまった。

「大丈夫だよ!!」

祐司はすぐに話題をつくった。すると、優介が機転きかせて言った。

「あのう、ごめん。きょうは3人とも、少ししか遊べないんだ。」

これは、耕を尾行するのに夕方に帰るところを尾行したら時間が無くなってしまう為に優介が考えたアドリブだ。健太はそれを聞くとほっとして言った。

「実は僕も今日は用事があるんだ・・・だから・・・」

それから、時計を見てから

「そろそろ、かえらなくちゃ。」

とおもむろに立ち上がった。

「じゃあ、ごめん。帰ります。バイバイ。」

「ばいばーーーーーーい。」

健太は基地を出て行った。3人は顔を見合わせた。

「行くぞ、初めてのミッション!!」

そして、初めてのミッションは始まった。


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