3号(中)
祐司がホワイトボードを見ると。一組の所に満智子の名前があった。
「よかったな。耕!!」
「おめでとう。耕君。」
祐司と優介は大きな声で耕を祝福した。
「お前ら、声が大きい!!!」
耕は眼を細めて言ったが耕は喜びを隠せなかった。
「まあ、その・・・うれしいのはね、まあそうなんだけど。いや、おめでとうってそのありがとうなんだけど・・・」
また、耕は一人でぶつぶつ言っていた。祐司と優介は校長先生と小柄な男の子が体育館檀上に登ったのに気が付いた。
「そうだ、転校生がいたんだ!!」
一年から六年は直ちに、新しいクラスで体育館に並んだ。校長先生が転校生を紹介した。転校生の男の子は六年にしては小さく、緊張しているのかモジモジしていた。名は大久保健太といった。祐司達と同じ1組だった。
新クラスは始まった。6-1の教室に入った祐司達1組の生徒は驚いた。
この学校では新しい担任の先生は教室に入らないとわからない、仕組みになっていた。6-1の担任はあの、竹田先生だったのだ。
しかし、祐司も優介も耕も担任はだれでもよかったのだった。耕はただうれしいだけだった。
祐司達は指定された、席に座った。祐司の隣はあの転校生、大久保健太だった。
「健太君だよね。よろしく。」
祐司は誰とでも気軽に話せるようなタイプだった。でも、健太は恥ずかしがりやで、消極的だった。なので、健太はいきなり話しかけられびっくりしてしまいすぐに返事をしようとして、声が裏返った。
「もうど!!!」
どうも、と言いたかったらしい。祐司は笑いを堪えられなかった。
「ねえ、ねえ、健太。俺と放課後遊ばない?」
健太はいきなり、下の名前で呼ばれてびっくりしたが少しうれしかった。
「あ・・うん。」
健太はうなずいた。
「そうなんだよ。今日が結成記念日なんだ!!!!」
耕は見事、満智子ちゃんのななめ後ろの席をゲットした。その席はまさに、ベストポヂションだった。学校嫌いの耕もいつまでも学校にいたい気分だった。しかし、すぐにその日の授業は終わった・・・
放課後になると、祐司と耕と優介と健太は町の端にある林に行った。林は常緑樹であり、その奥を少し行くと段ボールで敷き詰められた、たたみ8畳分のスペースがあった。
「ここが、我々の秘密基地だあ!!ここに前は雑草があって、それを切ってから段ボールを敷いたんだ。」
祐司が健太に自慢げに言った。
優介は驚いて言った。
「祐司がそんなに軽く、秘密基地に人を呼ぶなんてびっくりだねえ。」
それを聞くと祐司は楽しそうに言った。
「だって、こいつあの「もうど」を言ったんだぞ。俺が話しかけて一番に!!」
それを聞くと、優介も耕もはらを抱えて笑い出した。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっは。ぎゃはははははははははは」
顔を赤らめた、健太もそこまで笑われると逆にうれしくなってしまった。笑いがおさまると健太は聞いた。
「でも、秘密基地って・・・・何かのグループなの?」
耕は言った。
「そうなんだ。俺たちはグループを作った。何のためにかそれは・・・祐司言うか?お前がリーダーだもんな。」
耕は祐司に振った。
「うむ、このグループは日本の子供たちを征服するために作られた・・・」
そこまで、言うと耕がさえぎった。
「おいおいおいおいおい、違うだろう。本当はね・・・知ってるかもしれないけど、俺たちは中学になったら村の外の町まで学校に行かねばならない。そこで俺たちは、考えた。中学に行くようになれば、村で過ごす時間も減る。その前にこの村に恩返しをしようとな。そこで、できたんがこのグループだ。」
それを聞くと、健太はうなずいて、また1つ聞いた。
「このグループに名前は無いの?」
「そういえば、名前はなかったなあ・・・」
優介はいきなり聞かれた質問に考えながら言った。
「名前決めようよ、リーダー。」
そう言われ少し考えてから言った。
「三号にしよう。」