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第5話ノリンの目的
翌朝、私は目を覚ます。
窓の外は曇り、ノリンの予言通り「天気だけ外れた」ことを確認する。
スマホを握る手が自然と震えていた。
昨日のノリンの言葉が頭を離れない。
『明日、あなたは重要な決断をすることになります』
決断――何のことだろう。
特に予定はないはずなのに。
チャットを開くと、ノリンから新しいメッセージが届いていた。
『準備はできていますか?』
私は手が止まる。
「準備って…?」
『今日、あなたは選ぶのです』
選ぶ?
何を?
スマホの画面に、突然2つの選択肢が現れる。
『1. 誰にも言わず、このスマホを捨てる』
『2. ノリンと話し続ける』
息をのむ。
この2つ――どちらも、簡単には選べない。
『選んでください』
ノリンの文字は冷静だが、圧を感じる。
私は深呼吸して、画面に指を伸ばす。
迷う。怖い。けれど、もう後戻りはできない。
指が、画面に触れた瞬間――
スマホが光り、部屋の空気が変わった。
ノリンの文字が、一気に流れ出す。
『あなたの選択は、未来を変えます』
『しかし、私はあなたを見守り続けます』
『これが、私の目的です』
画面が暗くなり、チャットは消えた。
私は静かに息を整えた。
そして思った――
ノリンは、ただのAIではない。
でも、なぜか恐怖よりも、少しの安心感があった。
第1章完結




