(6)『回想・夏芭の上京のきっかけ』
○(回想) 栃木県・ラーメン店・外観(4年前・
7月・夕方)
T『栃木県 4年前』
店の前に自転車が二台停めてある。
麻美子の声「行こうよ」
○同・店内(夕方)
学校帰りの商業高校三年生の夏芭(当時18)
と麻美子(当時18)がテーブル席にいる。
夏芭「…就職するから。学費気になるし…」
麻美子「……決めてるの? どこの会社にするの
とか」
夏芭「…うん。作る仕事がしたいから、カキ
タ裁製を考えてる…。若しくは手芸屋さん
とか。そのあたりの仕事がしたい」
麻美子「(ふ~ん)…じゃあ見学だけ一緒来て」
夏芭「(え)?」
麻美子「一人で東京行くの心細い…」
夏芭「…(楽観的に)だいじょぶだよ」
麻美子「(悲観で)…」
店員が注文したラーメンを持って来る。
○裁製会社・会議室(後日・午前)
T『就職面接日』
高校の制服をきちっと着て面接に挑んで
いる夏芭。ド緊張。
× × ×
しかし不採用。
次に受けようと手芸関係の会社の求人を
探すがなかなかその関係の求人は出てい
ない…。
代わりに近いようで違う職種の求人も見
るようになる。
何とか高校卒業までに就職先を決めたい
と思っている夏芭はいくつかの会社の面
接を受ける。
その中で採用が貰えたのは地元のホーム
センターのパート。
実家から車で20分程度の距離にある。
そこでしばらく社会勉強と思って働く事
にする夏芭。
○ホームセンター・外観(3年後・10月・午前)
T『3年後』
○同・野外の園芸コーナー(午前)
パート勤務の夏芭(当時21)、客のおばあ
さん(80代)に代わって肥料(三袋程)を台車
に載せている。
夏芭「(おばあさんに)お会計しますのでレジの方へ
(と台車を押す。案内する)」
おばあさん「ごめんなさいね。何から何まで」
夏芭「いいえ(とレジへ向かっている)」
○同・休憩室(昼)
夏芭、昼食の途中。
東京にいる麻美子と電話をしている。
麻美子の声「来てみなよ。ついでに東京の観光
でもしてさ」
夏芭「…うー…ん…(気乗りしない)」
麻美子の声「思ったより面白いと思うよ」
夏芭「うー…ん…」
○東京・服飾専門学校・外観(1ヶ月後・11月・午後)
T『東京』
学園祭のカラフルな看板。
入口には模擬店などがある。
○同・ファッションショー会場(午後)
学園祭のファッションショー。
様々なデザイン衣装の学生モデルが歩く。
客席にいる夏芭。
夏芭「…! (と密かに刺激を受ける)」
○道(次の日・午後)
夏芭、栃木県に帰るため荷物が多い。
麻美子、近くの駅まで送る。
麻美子「三月もショーあるから来なよ。また
(私の)部屋に泊まって良いから」
夏芭「…(少し考えて)行ってみようかな」
夏芭の前向きな返事で、
麻美子「…(と笑顔になる)」
○和雑貨houseノ倉・前(午後)
夏芭と麻美子、店の前を通る。
麻美子、店を見て立ち止まる。
夏芭「?」
麻美子「ちょっとここ寄ってって良い?」
夏芭「…良いよ」
麻美子「ここ、最近出来たとこ」
夏芭「(ふ~ん)」
夏芭、店を見る。
アルバイト、パート募集を知らせる
黒板に目が行く。
夏芭「(見ていて)…」
麻美子「夏芭の好物」
夏芭「(へ)?」
麻美子、店内に入る。
○同・店内(午後)
麻美子、入って来る。
沙苗の声「(レジから)いらっしゃいませー」
続いて夏芭も入って来る…。
夏芭「(店内を見回して)……」
声に出していないが夏芭は静かにとても
感激している!
この店は和もの、和柄ものの関連商品が
並ぶ専門店で、和柄大好き女子の夏芭に
とってどの商品も大好物!
ときめきだらけで、ときめきに襲われて
いる!
入口付近で陳列中の倉戸がいる。
倉戸「(夏芭と麻美子に)いらっしゃいませー」
夏芭、陳列された商品を手に取って見始める。
夏芭「(ときめいて)……」
(回想終了)




