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夏芭の上京の状況 (スマホ版)  作者: 西座屋


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『りょうた君と田岐先生がやって来た』(6)

〇広場(午前)

夏芭「(ゴクゴク、ハァー)…」

  ブースの奥の方でお茶をカブ飲みして

  動揺の気持ちを落ち着かせる夏芭。

麻美子の声「あ、タッキー」

夏芭「?」

  入れ替えで息子のりょうた君(4) を連れて

  田岐先生がやって来る。

麻美子「(気付いて)りょうた君!? こんにちは」

  としゃがんでりょうた君に挨拶。話し掛ける。

  いつも写真や動画でしか見た事がなかった

  実物のりょうた君。

  りょうた君は恥ずかしそうで田岐先生の

  影に隠れる。

麻美子「(グフ、可愛い)…」

夏芭「…」

  夏芭、片手にお茶を持ったままブースの

  奥で麻美子たちを見ている…。

  田岐先生、ブースの奥の夏芭を見つける。

田岐先生「(夏芭に)! どんな感じ? 売れ行き

 どう?」

夏芭「…(と会釈する)」

田岐先生「(ボーとする夏芭の様子を見て)…?」

麻美子「(田岐先生に)ちょっとハプニングが

 ありまして」

田岐先生「ハプニング?」

麻美子「(困った笑顔を見せる)」

田岐先生「…(と夏芭を見る)」

  夏芭、もう一口お茶を飲んで、キャップ

  を閉める。

田岐先生「…」

  田岐先生、並べられた商品をさらーと

  見る。眺める。

  夏芭、少し落ち着いたようでお茶を置いて

  ハンドメイド商品の前へ来る。

夏芭「(物色する田岐先生に)いらっしゃいませ」

田岐先生「(あれがない)…、恐竜の改良版は?」

夏芭「…(あ)」

  あの男性に…。

  先生に改良版を見せる前にあの男性(友顕)

  に売ってしまった…。

田岐先生「?」

夏芭「売れちゃいました…」

田岐先生「(えっ)。え、売れちゃったのっ?」

夏芭「…(と少し目線をずらす)…」

田岐先生「(そんな夏芭に)…。(うーん)残念」

夏芭「(田岐先生を見る)」

田岐先生「見たかったから」

夏芭「…」

田岐先生「でも良かったね。その人にはハマッた

 みたいで」

夏芭「(その言葉に)…」

  思わぬ事があったもののその言葉でスッと

  気付かされる。

  売れた事にもっと素直に喜んでも良い事を。

夏芭「(そうか)…(そういえばそうだね)…」

  スッと受け入れる夏芭。

  田岐先生、商品を手に取って見ている。

夏芭「(田岐先生を見ていて)…(あっそうだ)。

 車の、和柄風デザインの生地でガマグチ

 作りました」

  とミニカーの和柄風デザインのガマグチ

  を手に取って田岐先生に見せる。

  お店でミニカーの和柄風デザイン生地の

  布を見つけてそれを使用してガマグチを

  作った。

田岐先生「(へぇー)」

  田岐先生、まだよく見ていなかったガマ

  グチを手に取って見る。

夏芭「お店で恐竜の和柄風デザインの生地を

 探してみましたがなかったです(やっぱり)。

 でも(代わりに)、車の和柄風デザインの生地

 を見つけて、(それで)ガマグチを作ってみま

 した。紐付きなので首に提げられますよ」

  と夏芭の説明を聞きながら田岐先生は、

  パチッと開けて中身を確認。パチッと閉

  めて外観を確認…。

  そしてりょうた君の首にガマグチを提げ

  てみる。その姿を眺める。

田岐先生「(眺めていて)…」

夏芭「(そんな田岐先生に)…」

りょうた君「(ガマグチに)…」

  りょうた君、開けてみたり閉じたりと、

  パチッ、パチッ…を繰り返す。

  ガマグチをいじる。

田岐先生「車の和柄風、かわいいね」

夏芭「! ですよねー! 私、見つけた瞬間

  ときめきましたっ」

  全身和柄コーデの和柄大好き女子の夏芭。

田岐先生「(あはは、そう、良かったねー)」

  そうだろうねー。と夏芭の全身コーデを

  見れば分かる。

  りょうた君、ガマグチを首に提げたまま

  暇な状態…。

  飽きた。突然走り出す!

  と何かに足をとられてつまづく!

  水たまりに正面からベチャッ…と転ぶ。

麻美子「! りょうた君っ(と一早く素早く

 駆け寄る)」

田岐先生・夏芭「(その声に)! !」

  田岐先生、りょうた君の元へ。

  夏芭、ブースから身を乗り出す。

  麻美子が倒れたりょうた君をよいしょと

  起き上がらせる。

  やはり服が濡れてしまっている…。

  そして首に提げていたガマグチも…。

田岐先生「(それを見て、ああーああーああー)

 平気かあー」

りょうた君「…(泣きはしない)」

麻美子「(ちょっと)拭くもの持ってきますね

 (と素早く動く)」

  夏芭も来る。状況を素早く把握する。

夏芭「(りょうた君とガマグチに)…」

田岐先生「(素早く夏芭に)ごめんなさいっ。

 大事な商品をこんなにしてしまって。申

 し訳ない。汚して(などと謝る)」

夏芭「(この状況に色々あらら)…」

  夏芭、しゃがんでりょうた君の首に提げら

  れたガマグチを手に取る。

夏芭「(それを見て)…」

りょうた君「(夏芭に)…」

夏芭「…」

田岐先生「(きっとショックを受けている夏芭

 に何と言えば)…」

  かける言葉が見つからない…。

  麻美子、拭くものを持って急いで戻って来る。

  素早く汚れた部分をトントンと拭く。

  田岐先生も拭く…。

りょうた君「…」

  ガマグチを持ったままの夏芭…。

夏芭「(ガマグチをジッと見て考えていた)…、

 外で使うなら水に強い生地(布)の方が良い

 ですよね?」

りょうた君「(夏芭に)?」

田岐先生・麻美子「(夏芭に)…」

夏芭「やっぱりやるならとことん生地から

 オーダーメイドじゃなきゃ(とニカッ)」

  前向きで楽しそうな顔の夏芭。


(おまけ 了)


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