表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 吸坂路庵
1/6

其の一

発見されたのは、首を欠いた死体ばかりだった。切断の跡もなければ、血も流れていない。


あたかも――最初から“首などなかった”ように。


王都ザル=フィエルでは、秋の終わりとともに不吉な噂が広まりつつあった。街の広場、図書館の地下、礼拝堂の階段裏。どこで発見されるものも、首がない。


そんな中、一通の封書が禁術師ギルドに届いた。差出人は、百年前に断頭台で処刑されたはずの吸血貴族、グラセロ公爵。


『貴殿の才を、我が晩餐会にて拝したく候』


文面は丁寧で、書体も当時のものと一致する。だが何より不可解なのは――公爵が、今も“生きている”という点だった。


若き魔法探偵オーリン・セラストは、ギルドから密命を受け、この不可思議な事件の真相を探るべく、公爵の城へと足を運ぶこととなった。


古びた馬車で揺られること五日。霧の中にそびえる城の門が、軋んだ音とともに開かれる。


彼はまだ知らなかった。そこに広がるのが、首なき者たちの宴であることを。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ