9 普通に助けます
敵の女性が闇に消え、周囲は静寂に包まれた。俺はしばらくその場に立ち尽くしていたが、やがて意識を取り戻し、もう一度周りを見渡した。
「ルナ……!」
ようやく彼女のことを思い出し、慌ててその場に駆け寄った。彼女は地面に倒れており、息をするのも辛そうだった。敵の攻撃を受けたことで、彼女の体には傷が残っている。
「大丈夫か……?」
俺は震える手で彼女に触れ、状態を確かめた。彼女の体は冷たく、かすかに震えている。彼女は動かないが、まだ息があるのがわかった。
「しっかりしてくれ……」
彼女の顔を覗き込んでみると、閉じられた瞳の奥にわずかながら意識が残っているように感じられた。俺は急いで自分の上着を脱ぎ、彼女の体にかけて少しでも温めようとした。
「家に……連れて帰るしかないか……」
周囲に誰もいないのを確認し、俺は彼女を抱き上げようとした。彼女が傷ついているため、余計な負担をかけることが心配だったが、このままここに置いておくわけにはいかない。
「よいしょ……」
なんとか彼女を抱き上げると、足を引きずりながらも、俺は自分の家に向かって歩き出した。彼女を救いたい——その一心で、俺は全力を振り絞った。
「もう少し……もう少しだけ頑張ってくれ……」
暗い夜道を一歩ずつ進みながら、俺は心の中で何度も彼女に呼びかけた。やがて、自分の家の明かりが見えてくると、俺はさらに歩を速めた。