2 ルナ
謎の少女視点
「何なのよ、あの男……」
あの場面を振り返りながら、私は苛立ちを抑えられなかった。あの時、ひとよけが完璧に効いていたはずなのに、なぜか彼だけがそれを突破してきた。そして、私に近づいた瞬間、まさか私の力が無効化されるなんて……。
「ちっ、こんなこと初めて……」
あの男、ただの人間じゃない。普通の人間があんなことできるわけがない。でも、それを確かめる間もなく、彼は急いで去って行った。遅刻がどうとか言っていたけど、そんなこと気にしてる場合じゃないでしょ。
「いったい、何者なの……」
私はあの男の背中を見送った後、一瞬動揺した自分を呪った。任務の途中でこんなことになるなんて、予想もしていなかった。でも、だからといってここで立ち止まるわけにはいかない。
「とにかく、今は……」
私は自分の感情を押し殺し、冷静さを取り戻そうとした。目的はまだ果たせていないし、あの男が邪魔になるかもしれない。でも、今は彼のことを考えている場合じゃない。
あの男の名前も知らないけど、彼についてもっと調べる必要があるかもしれない。だけど、今はまず自分の任務を完了させなければならない。
「今度会ったら……その時は、ちゃんと問い詰めてやるんだから……」
そう自分に言い聞かせながら、私は足早にその場を立ち去った。頭の中には、あの男の顔と、彼に感じた不思議な感覚が、しっかりと焼き付いていた。