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バンド  作者: こくぼなり
一章
5/60

早朝

 朝起きた時から身体がだるかった。しかし、いつも起きる30分前に目が覚めてしまった。

 二度寝することも叶わず、廊下を挟んで向かいのリビングを目指す。

 ジュウジュウと何かが焼ける音とベーコンの香ばしい匂いがする。

「おはよ。」

 今日は珍しく、眠たげな妹が朝ごはんの用意をしていた。

「今日は早いのね。」

「うん。今日は花壇の水やりだから。」

 こちらをちらりとも見らずに答える。

「できたよ。」

 目の前のテーブルにベーコンエッグトーストが置かれる。テレビをつけると早朝のニュース番組が中盤を迎えていた。

「いただきます。」

 丁度いい焼き具合に半熟の目玉焼き、妹は全て分かっている。

 感謝の気持ちでも伝えようかと顔を上げるが、相変わらず眠そうな妹は話しかけられても迷惑だろう。

 ニュース番組の妹お気に入りのCMが終わると、妹は足早に食器を片付けてリビングから出て行く。

「いってらっしゃい。気をつけて。」

 一瞬だけ立ち止まると、

「いってきます。…頑張ってね。」

 朝は口数が少ない妹の言葉が、心にしみてしまい溢れ出た涙はニュース番組の次のCMまで止まらなかった。

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