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バンド  作者: こくぼなり
二章
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48/60

想い

 「明日、放課後練習ね」昨日の晩に紫織からメッセージが来ていた。

 その指示通りに、スタジオに来たがまだ誰もいなかった。

 マイク、ギター、ベース、ドラム、それぞれの機材がいつも通りの位置に置いてある。

 マイクで「あー」と言ってみたり、ギターをジャンと鳴らしてみたりした。

 ドラムの椅子に座ると、なんとなく力が湧いてきた。青藍に教えてもらったエイトビートを、なんとなくやってみると、何か宝箱が開いたような気がした。

 青藍が好きだった曲を、うろ覚えのまま叩いた。どんどん青藍との思い出が蘇ってくる。

 一緒に遊んだ日のこと、学校行事や秘密の話をした公園、どれも大切な思い出だ。

 視界がぼやけ、手に水が落ちてくる。「ありがとう、青藍」そう呟くと、バダンとドアが開いた。

「青藍!」

 息を切らしながら、友黄が入ってきた。友黄はこちらを見つめたあと、「緑?」と呟いて呆然と突っ立っていた。

「あぁ、緑。ドア少し開いてたぞ」

 その後に、紫織と赤華が入ってきた。

「それにしても、緑ちゃんドラム上手いんだね。ドラムの方が向いてるんじゃない?」

 友黄の方をちらちら見ながら、赤華が笑いかける。

「青藍が叩いてるのかと思った」

 視線を宙に浮かせ、ポツリとつぶやいた。

 その発言を隅に追いやるように、練習が始まった。三人のたっての希望もあり、私はドラムをした。

 初めてドラムで合わせるにも関わらず、物凄く音が合わさり、スタジオが光り輝いて見えた。

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