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バンド  作者: こくぼなり
一章
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家にて

 ここのところずっと学校を休んでる。ご飯を食べようとも思わず、カーテンを開ける気も起きない。

「緑、今日も学校休みの?」

 ドア越しに母が尋ねる。

「うん。まだ頭痛い。」

「わかった。学校に連絡しておくね。」

 それ以外の何もなかった。もう何も考えたくなかった。これまで一度も起きなかった感情が沸々と湧き上がってくる。

 「バンドやめたい。」サボり2日目にしてどんどん気持ちが強くなっていく。もうにすら学校にも行きたくない。いっそ死んでしまおうか。

 五階のこの部屋から飛び降りるのはそう難しい事ではないだろう。負の思考が連鎖し始めていた。

「緑、明日からテストよね?」

 唐突に母の声が聞こえて来た。

「うん。」

「緑お願いだからテストだけは行ってくれない?それからはいいから…テストだけは…ね?」

 母の懇願する声が聞こえる。母のこんなに悲しそうな声は一度も聞いたことがなかった。

「わかった。テストは行ってみる。」

「うん。…ありがと。じゃあお母さん仕事行ってくるね。」

「いってらっしゃい。」

 学校か…今は誰とも会いたくない。しかしあそこまで母にお願いされたら行かないわけにもいかない。

 今日は早めに準備をしよう。明日になったら行きたくなくなるのは目に見えている。


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