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バンド  作者: こくぼなり
一章
13/60

逃げ?

 起きてすぐに時計を見ると3日後のお昼だった。妙に頭が重かった。

 起きた私は、相当お腹が空いていたのでリビングに行き冷蔵庫を漁っていた。

 ちょうどその頃母親が、買い物から帰ってきた。

 母は、私を見るなり目を大きく開いて、買い物袋を落としてしまった。

「あんた何してんの!大丈夫なの?」

「う、うん…大丈夫だよ?どうしたのそんなに驚いて。」

 母は半分叫びながら、質問を浴びせてくる。その大半は私のことを心配している事なのだ。

 何故だかわからない上に肩を揺らされながら大声で、質問されたら誰でもイラッとくるだろう。

「もう!わかったから!大丈夫っていってるでしょ?」

 私が母以上に大きな声で、そう言うと母は落ち着きを取り戻し、近くのスーパーで買ってきたものを冷蔵庫に入れ始めた。

「まぁ無事ならよかったよ。ほんと心配したんだから。」

 とかなんだかブツブツ言いながら、手際よく卵や牛乳を詰めていく。

 それを横でぼーっと見ていると、母が「お腹すいてない?」と言いながらバックを漁る。

「うんめっちゃお腹すいた。なんかない?」

「ヨーグルトならあるけど。」

 バックから取り出したのは、特売品のヨーグルトだ。一つを渡し、後の残りを冷蔵庫にいれる。

 私は、テーブルにスプーンを持って行きゆっくり丁寧に開ける。

「母さん、私3日間も寝てたけど学校になんて説明したの?」

 何気なしに聞いた疑問は、母の目を点にした。

「あんた何言っての?あんた3日間ずぅーと布団にくるまって、ご飯も食べずにブツブツブツブツ言ってたじゃないの。そして昨日うがぁーって叫んで、寝ちゃったじゃない?」

 …覚えていない。とゆうかそんな奴はやばい奴じゃないか。精神科に連れていくべきだ。

「だから今日、近くの精神科医のところに連れて行こうと思ってたの。いく?」

 …真っ当な思考回路だ。私もそう思う。しかし、自分が連れて行かれる身なら少々腹が立つ。

「その様子じゃ大丈夫そうね。もうお昼だけどご飯食べる?」

「うん。お腹ペコペコ!」

 そういえば3日間何も食べてない。母の話に集中し過ぎて忘れていたが。

 母が買い物袋から取り出した惣菜たちを、テーブルに並べる。

 私の楽しみな食事の時間が始まった。ご飯を食べているときは、他の何事も忘れられる。

 そういえば3日前何があったけ?思い出せないし、何故か考えたくもない。

 考えたくもないことを考える趣味もないので、目の前の楽しみだけに集中した。

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