俺と看護師さん
バイクの事故で両手両足を骨折した俺は病院に入院している。
人は手足がないと本当に何も出来ない、それを理解せざるを得ない状況だが悪くはない。
その理由が…
「どうなさいました?」
俺のナースコールで来てくれた看護師さん、茶髪つり目のちょい悪な感じが堪らなく可愛い看護師さん、この時間にナースコールを押せば彼女が来てくれる確率が高いのは調査済みだ。
「すみません、また…お願いしてもいいですか?」
少し恥ずかしそうに言葉に出す俺に素敵な笑顔が向けられる。
「もぅ、仕方無いですね」
そう言って看護師さんは俺のモノを口へ運んでくれる。
彼女の動きを見詰めると恥ずかしそうにこちらを見返される。
無言…それはそうだろう…
少しして俺のを飲み込んだのを確認して声を掛ける。
「どうですか?」
「美味しかったですよ」
その微笑みに満足した俺は彼女が口を拭うのを見て寂しさを覚える。
だが仕方無い、彼女にも仕事があるのだ。
「それじゃ食器下げておきますね」
「ありがとうございます」
そう言って看護師さんは食べ終わった食器を持って病室を出ていく。
1食100円で不味い病院の飯を彼女に買い取って貰ってる俺は退院する頃には幾らくらい貯まってるだろうか?
毎日寝て過ごして昼飯を抜くだけで毎日貯金が貯まるなんて最高じゃないか!
俺は明日も彼女への餌付けを続けようと貯金箱を見詰めて気付く…
「あっ?!今日100円入れてなくない?!」
完